3枚のグラフを使って2つのシンプルな事柄を説明します。

2つのシンプルな事柄とは:

1. 日本国債はバブル以外のなにものでもないということ
2. 若し世界がインフレになったら誰も日本を救えないということ

です。

まず全世界のGDPを全て足し上げた、「世界のGDP」に対して、日本経済が占める割合を示したのが下の図です。日本のシェアは6%です。なおここではPPP(購買力平価)を使っています。普通の為替レートを使う方法もありますが、それで計算すれば日本のシェアは10%程度だと思います。
GDPシェア

次に世界に流通している債券を全て足し上げた、「世界の債券市場」に対して、日本の債券の残高が占める割合を示したのが下の図です。日本のシェアは18%です。
債券シェア

最後に世界の株式市場の時価総額を全て足し上げた、「世界の時価総額」の中で日本株の時価総額が占める割合を示したのが下の図です。日本のシェアは7%です。
株式シェア

この3つの円グラフを比較するとお気づきになるかと思いますが、日本の株式時価総額シェアとGDPシェアは大体一致しています。

でも債券だけが異様に膨れ上がっていることがわかると思います。

現在、日本の税収の43%は右から左にデットサービス(借金の金利の支払い)に消えています。つまりデフォルト(破綻)させないために小学校の教員や公務員のお給料より優先して、どうしても日本政府が債券の保有者に支払わなければいけないお金なのです。

現在のような低金利ですら税収の43%がすぐに借金の金利の支払いに消えているのに、若し世界の金利が上がり始めたら日本の金利負担は一体、どういう事になるのでしょうか?


以前から書いているように世界の半分はデフレではなくインフレに苦しんでいます。

(不景気でもインフレがおこるの?)

そう疑う人はワイマール時代のドイツで起こったハイパー・インフレーションを思い出して頂ければ良いと思います。

別に景気が良くなくても(当時ドイツは戦争の賠償金の支払いで苦しんでおり、結局、支払いが出来ず、借金のカタにルール工業地帯をフランスに取られました)、中央銀行が輪転機をフル回転してじゃんじゃんお札を刷ればお金の価値は暴落します。

インフレとはモノの値段が上がることではありません。お金の信用が低下する事がインフレの本質なのです。

もちろん、日本の政府は(いまのところ)そんな無責任な事はやっていません。

でも世界を見回すとそういう無責任な「ウルトラC」の技を出そうとしているバカ者が居るということを僕は指摘したいのです。そのバカ者はアメリカです

早ければ明日にでも「包括的な量的緩和政策」がお披露目されるかも知れないのです。(円/ドルが81円を試しに行っている理由は、これです。)

アメリカが企てている「包括的な量的緩和政策」とは、ひとことで言えばわざとインフレを起こそうという試みです。

マーケットはこれが成功すると思っています。そうでなければインフレ関連株が乱舞するわけがありません。

若しインフレの兆候が出始めれば、世界のヘッジファンドは怒涛のように日本国債をショートすると思います。

その一方で買いに回ってくれる人は日本国内の金融機関だけになると思います。

よく「日本国債はガイジンが保有していないから、安全だ」という議論をする人が居ます。

この議論は間違っています。なぜなら日本国債は余りに割高(=利回り面で魅力が無い)なので、日本人以外は世界の誰からも見向きもされないというのが実情だからです。

少々日本国債の価格が急落(=利回りは上昇)したとしても、ガイジンの目からみた相対的な魅力の無さはかわらないと思います。

すると引き続き日本国債は日本国内の金融機関だけが買い支えないといけなくなるのです。

でも日本の金融機関は腹いっぱい日本国債を引き取らされているので、もうこれ以上は買えないかも知れません。

そもそも先ほどの2番目のグラフに戻って考えた場合、日本の債券市場は世界の18%という桁外れな大きさなので、世界の他の国がそれを救うというのはかなり無理のある話なのです。

それからこれは余計なひとことかも知れないけれど、そういう魅力の無い日本国債をプレッシャーをかけながら日本の金融機関に無理矢理買わせるという行為は、お役人の保身というか、自分たちが都合の良いように利用していることのように僕には思えてなりません。

なぜならお役人さんが職の安定を維持し、威厳を保ち続けるためには日本国債が消化され続けなければいけないからです。

(自分の国の出す国債が売れなくなったときの悲哀はギリシャを見ればわかります。)

でも利回り的に魅力がなく、また借金の借り手としてもその信用力に「?」マークのつく日本(=日本の税収は1990年頃にピークを打ち、それ以降はずっと頭打ちです)の国債を国内の金融機関が「お付き合い」で買わされ続けているということは、突き詰めて言えば国民の富が公務員さん達の私的な利害のために濫用されていることに他なりません