New York Timesに「中国が欧米へのレアアースの輸出を制限している」という記事が出ました。その記事が出た後で読者のコメント欄にどっと中国非難の声が押し寄せました。
以下はそれらのコメントのごく一握りの抜粋です。
This is the date the Second Cold War began...
今日が「第二の冷戦」の開戦日だ。
We should halt exports of food. The Chinese govt craves social order above all else. We should send them a 6 word message: fair trade now or food riots.
米国は中国に対する食糧の輸出をやめるべきだ。中国政府は民心の安定をなによりも重視する。だからこう言ってやりたい。「フェアな貿易をするか、それとも食糧暴動をえらぶか?」
Boycott the P.R.C.!
中国をボイコットしろ!
Seems as though Paul Krugman was prescient once again.
またしてもポール・クルーグマンは正しかった。
If this doesn't wake people up to the real risk of so much dependency on China, I don't know what will - outsourcing, loans, and now natural resources.
もし今回の事件でアメリカ人が眠りから覚めないのなら、一体、なにがアメリカ人を覚醒させるのだろう。アウトソーシング、融資、そして今度は資源だ。
以下はそれらのコメントのごく一握りの抜粋です。
This is the date the Second Cold War began...
今日が「第二の冷戦」の開戦日だ。
We should halt exports of food. The Chinese govt craves social order above all else. We should send them a 6 word message: fair trade now or food riots.
米国は中国に対する食糧の輸出をやめるべきだ。中国政府は民心の安定をなによりも重視する。だからこう言ってやりたい。「フェアな貿易をするか、それとも食糧暴動をえらぶか?」
Boycott the P.R.C.!
中国をボイコットしろ!
Seems as though Paul Krugman was prescient once again.
またしてもポール・クルーグマンは正しかった。
If this doesn't wake people up to the real risk of so much dependency on China, I don't know what will - outsourcing, loans, and now natural resources.
もし今回の事件でアメリカ人が眠りから覚めないのなら、一体、なにがアメリカ人を覚醒させるのだろう。アウトソーシング、融資、そして今度は資源だ。
China is breaking its own agreements with the international trade partners and governing bodies. China is out of control.
中国は自ら国際貿易ルールをやぶっている。むちゃくちゃだな、あの国は。
They need us more than we need them, if they want to halt some exports then why don't we tell them to halt all of their exports.
我々が中国を必要とするより、中国の方がアメリカを必要としている。もし彼らが輸出を止めたいのなら、「じゃ勝手にどうぞ」と言ってやりたい。
I think we should embargo access to US universities of all of these Chinese students, who are coming over here and taking away educational opportunities from US students
中国の学生がアメリカの大学に留学してくるのを禁止すべきだ。彼らはアメリカの学生の学ぶ機会を奪っている。
This is the same as Russia does with its energy. It is used by these nations to advance their interests.
中国のやり方はロシアがエネルギー輸出でやる方法と同じだな。自分たちの国益の伸長だけが目的だ。
■ ■ ■
以上は比較的インテリと言われるNYタイムズの読者層のコメントですから、一般のアメリカ人の反応は推して知るべしというところでしょう。
さて、敢えて中国の擁護をするならばレアアースは極めてマージンの薄い二束三文の鉱物で、儲けになりません。
ところがその生産に際しては大変環境破壊をともないます。
だから普通に操業したら人件費がめちゃ安で、かつ環境保全のための養生を一切しない中国のようなところで掘るしか無いのです。実際、レアアースの採掘に実際に携わっているのは無数の零細な業者です。
別の言い方をすればレアアースの問題点は環境破壊などのお金に換算しにくいコストがちゃんとプレミアムとして上乗せされていない安値で乱開発されているところにあるのです。
もし日本やアメリカが「フェアなトレード」を本当に望むのなら、中国における環境保全に必要なコストを負担する準備が無ければいけません。
中国は何も日本やアメリカと戦争をおっぱじめようとしてレアアースを禁輸しているのではないのです。ヤマネコ的な闇業者を淘汰して、ちゃんとした企業が適正なマージンと環境保全装置を確保できる事業規模でレアアース開発をしたいだけです。
それが証拠にアメリカのレアアースの会社、モリコープの所有するカリフォルニア州とネバダ州の州境にあるマウンテンパスと呼ばれるレアアース鉱山は不採算のためずっと廃坑になっていました。
これが動き始めると近隣の環境団体はまた「操業して欲しくない」と反対運動を始めると思います。
つまり英語で言うところの「Not in my backyard」(ウチの裏庭でそれをやられては困る)というメンタリティーが根強くあるわけです。
それを指摘せず、ただ中国を非難するのは偽善的です。
中国は自ら国際貿易ルールをやぶっている。むちゃくちゃだな、あの国は。
They need us more than we need them, if they want to halt some exports then why don't we tell them to halt all of their exports.
我々が中国を必要とするより、中国の方がアメリカを必要としている。もし彼らが輸出を止めたいのなら、「じゃ勝手にどうぞ」と言ってやりたい。
I think we should embargo access to US universities of all of these Chinese students, who are coming over here and taking away educational opportunities from US students
中国の学生がアメリカの大学に留学してくるのを禁止すべきだ。彼らはアメリカの学生の学ぶ機会を奪っている。
This is the same as Russia does with its energy. It is used by these nations to advance their interests.
中国のやり方はロシアがエネルギー輸出でやる方法と同じだな。自分たちの国益の伸長だけが目的だ。
■ ■ ■
以上は比較的インテリと言われるNYタイムズの読者層のコメントですから、一般のアメリカ人の反応は推して知るべしというところでしょう。
さて、敢えて中国の擁護をするならばレアアースは極めてマージンの薄い二束三文の鉱物で、儲けになりません。
ところがその生産に際しては大変環境破壊をともないます。
だから普通に操業したら人件費がめちゃ安で、かつ環境保全のための養生を一切しない中国のようなところで掘るしか無いのです。実際、レアアースの採掘に実際に携わっているのは無数の零細な業者です。
別の言い方をすればレアアースの問題点は環境破壊などのお金に換算しにくいコストがちゃんとプレミアムとして上乗せされていない安値で乱開発されているところにあるのです。
もし日本やアメリカが「フェアなトレード」を本当に望むのなら、中国における環境保全に必要なコストを負担する準備が無ければいけません。
中国は何も日本やアメリカと戦争をおっぱじめようとしてレアアースを禁輸しているのではないのです。ヤマネコ的な闇業者を淘汰して、ちゃんとした企業が適正なマージンと環境保全装置を確保できる事業規模でレアアース開発をしたいだけです。
それが証拠にアメリカのレアアースの会社、モリコープの所有するカリフォルニア州とネバダ州の州境にあるマウンテンパスと呼ばれるレアアース鉱山は不採算のためずっと廃坑になっていました。
これが動き始めると近隣の環境団体はまた「操業して欲しくない」と反対運動を始めると思います。
つまり英語で言うところの「Not in my backyard」(ウチの裏庭でそれをやられては困る)というメンタリティーが根強くあるわけです。
それを指摘せず、ただ中国を非難するのは偽善的です。