G20財務相・中央銀行総裁会議が2日目を迎えています。

今回の会議ではガイトナー米財務長官がグローバル・インバランス(世界の貿易不均衡)の是正に関して極めて興味深い提案をしています。それは:

各国は貿易黒字ないし赤字を「GDPの何%まで許せる」という具体的な数値目標を設定すべきだ

というものです。

「そんなの、とんでもない」という声が聞こえてきそうですけど、実はかなり多くの国がガイトナー案に賛同を示しています。

【既に賛成を表明している国】
アメリカ
カナダ
イギリス
オーストラリア
フランス

【たぶん賛成に回る国】
日本(おもてむきは批判的)

【たぶん反対に回る国】
中国
ドイツ


このうちドイツは輸出がGDPの4割を占めているため貿易黒字額を制限されると困ります。また大きな黒字を出している中国も当然、反対の立場を取ると考えられます。

いずれにせよ今回は「小手調べ」であり、本格的な討議は2週間後に予定されているサミット会談に持ち越されると思います。

さて、若しこの案が採択されたなら、株式市場にとってどのような影響があるでしょうか?

この議論に入る前に断わっておきたいのですが、経常黒字・赤字をGDPの何%まで許すか?という数値によってかなり市場の反応が変わってくると思われます。

いまの段階では細かい数値はわかっていないので、あくまでも(こういうシナリオがおこる可能性について一応考えておく必要がある)という程度にとどめておいて下さい。

【中国】
中国の貿易黒字額が厳しく制限された場合、人民元を切り上げるプレッシャーがかなりきつくなると思います。

その場合、外国から投機の資金が怒涛のように流れ込む可能性があります。その資金は主に株式市場に向かうでしょう。

【ドイツ】
ドイツはこれまで内需振興をしっかりやってきませんでした。従って経済政策を変更する必要が出ると思います。しかしすぐに内需へのシフトはできないと思うので、輸出を制限されたらドイツの景気は悪くなるリスクがあります。

【アメリカ】
赤字を垂れ流せないということは為替による調整(より一層のドル安)で辻褄を合せる以外に無くなります。思いっきりドル安になれば輸入品の物価が上昇するので需要が抑制される可能性があります。それに期待するしかないのです。

【日本】
アメリカに対してモノを売るという態度から中国に対してモノを売るという戦略へのシフトを今以上に加速する必要に迫られます。既に中国は日本にとって重要な輸出先になっているので、このシフトは不可能ではないと思います。ただわざとドル安を加速させる戦略にアメリカが出れば、日本株は急落するリスクもあります。