G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕しました。

そこでは通貨安競争の「自制」が合意され、声明文に盛り込まれました。

一方、経常黒字や経常赤字を一定の比率(=GDPに照らして)の範囲内に収めるという経常収支数値目標に関しては米国、韓国が示した「4%以内」という目標が中国、ドイツの反対で合意に至らず、11月11日からソウルで開催されるG20首脳会談に引き継がれることになりました。

さて、前回のエントリーで数値によって反応が変わってくるという事を書きましたが、この問題についてもう少し言葉を足しておく必要を感じたので説明します。

まず下のグラフは2000年以降の各国の経常収支を示したものです。(2010年以降は予想値)
keijyousyuushi

米国は「経常黒字も経常赤字もGDPの4%以内に収めてはどうだろう?」ということを提案しています。

そこでグラフを今一度見てほしいのですけど現在(2010年)の段階ですでにアメリカは赤字がGDPの3.19%と、4%以内に収まっています。つまりぜんぜん努力する必要がないわけです。

一方、ドイツの黒字は6.06%、中国の黒字は4.7%です。

するとこれらの国は若し4%と言う目標を押しつけられたら、経済成長をある程度犠牲にして数値達成に取り組まないといけなくなるわけです。


また、経常収支の動きの持つ、シクリカル(景気循環)的な側面についても説明しておきます。

世界の景気がうんと良くなると(例えば2005年から2007年にかけて)経常黒字体質の国の黒字幅はどんどん広がり、一方、経常赤字体質の国の赤字幅もどんどん広がる傾向があります。

しかもこの拡大のペースは貿易黒字国の方が顕著です。

すると今は世界的に景気がすごく悪いので、この時点で達成可能な努力目標として4%という数字を設定されても、好況のときにはガンガン黒字が出てしまう中国やドイツにとっては極めて不利な話であることがわかります。