経常収支数値目標とはグローバル・インバランス(世界の貿易の不均衡)を是正するために世界各国が従う具体的な努力目標のことを指します。現在のところ米国と韓国が「経常黒字ないし赤字はGDPの4%以内に収めよう」という案をプッシュしています。

昨日閉会したG20財務相・中央銀行総裁会議はこの面ですごく進捗がありました。

先ず経常収支数値目標問題そのものが現在世界政府が取り組むべき最優先の問題であるという問題意識がハッキリ共有されたという点です。

次に国際通貨基金(IMF)のクウォータ(分担金)の比率が見直されました。その見直しの中で新興国の負担比率が増え、それに呼応して発言権(seats)が増やされたのです。

経常収支数値目標の設定はこの国際通貨基金をリーダーとして模索されます。


これまで国際通貨基金は二重の恨みを買ってきました。

アメリカなど先進国からは「オレたち分担金を出しているのにIMFは言いなりにならないじゃないか」と不満を持っていました。

逆に新興国は「IMFは先進国の道具に成り下がっており、われわれの利害をちゃんと代弁してくれない」と感じていたのです。

今回、新興国が実際の実力に見合っただけの発言権を付与されたことでこれらの国々は大いに溜飲を下げています。

そこで最初にとりかかる仕事が経常収支数値目標問題なのです。

あたらしく、より大きな活躍の場を与えられたIMFで新興国の意見を汲み上げられながら経常収支数値目標が決まるのであれば、これは「アメリカに押しつけられた」という色彩が薄まりますし、新興国としても拒否しにくくなるわけです。

(いまごろリプスキーおじちゃんは忙しくしているだろうな。)





【経常収支数値目標問題に関する過去のエントリー】

経常収支数値目標問題の争点を整理する G20サミットにむけて

経常収支数値目標が中国株に与える影響について G20財務相・中央銀行総裁会議