ポルトガルの週刊誌、「Expresso」でアマード外相が「ポルトガルはEUを脱退するというシナリオに直面するかもしれない」と語り、これがFX市場で話題になっています。

ポルトガルの置かれている状況はギリシャの状況(投資家から信用されていない)やアイルランドの状況(不動産バブルの後遺症)とは異なります。

ポルトガルの財政赤字はドイツに次いで小さく、EUの規定である「-3%以内におさめよ」というハードルはクリアできそうです。
ポルトガル財政収支

失業率もスペイン、ギリシャ、アイルランドなどに比べると低いです。
ポルトガル失業率


しかしポルトガルは今回の世界不況がはじまる前から慢性的な経済の低成長に悩んできました。
ポルトガルGDP

また政府の負債はじりじりと上昇してきました。
ポルトガル政府負債

もうひとつ悪い点としてポルトガルは経常収支が恒常的にマイナスであり、外部の環境変化に弱いという点が指摘出来ます。
ポルトガル経常収支

或る意味でポルトガルの置かれた状況は日本のそれに近いと言えます。なぜならどちらの国も「どうやって経済成長を導きだすか?」という点で苦しんでいるからです。

ポルトガルと日本の大きな違いは日本の経常収支は健全だし、国債の消化は国内で完全に出来ている点です。

ギリシャやアイルランドの場合、事態が急激に悪化しているケースですのでソブリン危機が来て当然なわけですが、ポルトガルの場合は症状の進行がとても緩やかだったので、その国の借金の借り換えコストがスルスル上昇しているのは意外の感に打たれるし、資本市場という魔物の気まぐれさには改めて驚かされます。