アイルランドが欧州連合(EU)ならびに国際通貨基金(IMF)から支援を仰ぐ決断をしたというのが昨日のニュースでした。

本来であればこれで一安心、ユーロは高くなり、欧州周辺国のソブリン・スプレッドは縮小するのが大方の予想するシナリオでした。

ところがユーロは滝のような状態になっています。

その理由はアイルランドの与党、フィアンナ・フェイルと連立政権を形成していた緑の党が「もうフィアンナ・フェイル党とは協力したくない」と三行半をつきつけたことにあります。


フィアンナ・フェイル党は現在下院の71議席、緑の党は6議席を持っています。総議席数は166です。従って過半数は84議席です。

フィアンナ・フェイル党と緑の党を合計(77)しても過半数に足らない部分は無所属の議員をかき集めて連立政権をなんとか形成していたわけです。

今回、緑の党が離反するとなると連立政権の維持は不可能であり、1月に解散総選挙となります。

すると今回の欧州連合と国際通貨基金の支援は一定の財政赤字削減などのターゲットをクリアすることが条件となった上で提供されるものですから、来年(2012年度)以降のEU-IMFの提示するターゲットをクリアするメドが立たなくなるわけです。(すくなくとも今年12月に投票に付される2011年予算については緑の党はフィアンナ・フェイルと協力し、これを通過させるとコミットしています。)

1月に解散総選挙となればフィアンナ・フェイルが大敗するのは確実で、「宙吊り議会」となる可能性が高いです。

するとEUとIMFは緊急支援を実行する前からその前提条件であるアイルランドの財政改革が瓦解してしまったわけで、これはドイツなどの国民に対しても説明ができなくなってしまう可能性があるわけです。



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