EUの死臭を嗅ぎつけてスペキュレーター達がヨーロッパに群がっています。

下のグラフはスペインの10年債(黒)とドイツの10年債(緑)の利回りを示したものです。
Spain

スペインの利回りの上昇(債券価格は急落)が著しいことがわかります。
それと同時にドイツの利回りもじわっと上昇している点は不吉です。

アイルランド危機がスペインに伝染する兆候が明らかになってきたので、ハゲタカ達の攻撃の選択肢はどんどん広がっています。

彼らの或る者はユーロをショートしています。

また或る者はスペインIBEX35指数などの株価指数をショートしています。

さらにサンタンデール銀行(STD)などの個別株に空を振る連中もいます。

みな思い思いのトレード戦略でユーロの「解体作業」に取りかかっているのです。


他人のトラブルにつけ込むスペキュレーターを非難することは簡単です。

しかしそれではヨーロッパに落ち度が無かったか?と言えば、ツッコミどころはありすぎるほどあります。

たとえばスペインです。

スペインの経済は通貨ユーロを使用している16カ国の約10%を占めています。しかし1999年以降の全ユーロ使用国の住宅建設の約60%をスペイン一国で占めているわけです。

そんなにキチガイのように住宅を建設しまくって、ばちが当たらない方がおかしいと思いませんか?

また今回のソブリン危機に際してEUやIMFが行っている「指導」もハチャメチャです。

例えばユーロが導入されて以降、これまでに最も財政赤字を軽減した国はアイルランドとスペインでした。つまり彼らは優等生だったのです。

その優等生に「もっと努力しろ!」と言って更なる赤字削減を無理強いしているのです。

これはEUやIMFの側で今回の危機が起きた原因をちゃんと理解していないことを暗示しています。

さらに彼らが示した「引き続き努力しろ」という危機脱却のための処方箋も場当たり的で、実際、彼ら自身が「ノー・アイデア(妙案ナシ)」であることを世間に喧伝しているのと同然です。

だからこそ空売り筋の餌食になっているわけです。

EUにはもう時間は余り残されていないと思います。


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