ただでさえアイルランド問題でヨレヨレになっている欧州にまた新しい懸念(?)のタネが出てきました。

ロシアのプーチン首相がドイツの新聞に「リスボンからウラジオストックまでを統合する経済圏を作ろう!」という寄稿をしたからです。もちろん、この構想はあくまでも経済の面での協力だけであり、政治的統合を目指す提案ではありません。

しかしドイツのメルケル首相は「私の立場としてはそのような構想には冷水を浴びせざるを得ない」と既に警戒的なコメントを出しています。


ロシアは最近、NATOと「敵対する時代は終わった」と宣言しています。この事件は日本では殆ど報道されていませんが、欧州にとっては重要な展開です。

なぜなら:

マーシャル・プラン(欧州復興のための米国の支援)
NATO(ドイツが強大な軍事力を持たないための取り決め)
ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体=のちのEU)

は戦後ヨーロッパの政治的な枠組みを決める重要な「三点セット」だったからです。マーシャル・プランがその役割を終え、いまNATOがロシアという共通の敵を失ったことで欧州統一を推進する求心力としては、唯一欧州連合(EU)のみが残っているわけです。

しかし今回のアイルランド危機にも代表されるようにEUという政治機構に対して欧州の人々の多くが疑問を抱き、不満を持ち始めています。

ロシアがフレンドリーになればなるほど、欧州の結束は緩む、、、そういう構図なのです。