昨日アイルランドに対する支援策が発表されました。

ユーロは一瞬、しっかりする場面もあったけど、上値が重いと見るや買い方は総崩れになりました。

今回のアイルランドに対する欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、英国などによる協調支援でユーロ危機が峠を越えたとは、、、誰も考えていません。

それどころかギリシャに続いてアイルランドも援助受け入れに追いやった「戦果」に気を良くして投機筋は戦線を拡大しています。

新しく今日、白羽の矢が立てられたのはベルギーイタリアです。

このようにひとつの標的を血祭りにあげた後、どんどん次の獲物に襲いかかってゆくパターンは1992年のEMS危機やアジア通貨危機や南米のテキーラ・ショックなどの際にも見られた現象で、むしろこれが普通だと言うべきでしょう。


攻撃側としてはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)やソブリン債の売り崩しでこの危機をプレイするというのが定石でしょうが、CDSはマーケットが薄いし、あからさまにこれで勝負するのは「悪趣味だ」という自制心もどうやら働いているようです。そこでヘッジファンドは株価指数のショートなどへと手を広げています。

このためスペインのIBEX35指数などはここへきて崩落の様相を呈し始めています。

また究極のエンドゲームは何と言ってもユーロのショートということになります。

欧州連合は臨時措置であり、構造上の脆弱性を抱える欧州金融安定化取極(EFSF)への攻撃をかわすため、恒久的援助措置としてESM(ヨーロピアン・スタビリティー・メカニズム)という新しい仕組みを考案し、それを今回のアイルランドへの支援で使用しました。

ESMは:

1.恒久的な措置であること
2.IMF以外の債権者の間では最もシニア(=最初にお金を返してもらう権利)であること
3.デフォルトに際しては米国型の集団交渉を可能にすること
4.2013年以降に発行された新しい国債の購入者はヘアカット(投資家も痛み分けすること)を受け入れる事

などが盛り込まれています。

しかし市場のこの新しい試みに対する反応はいまひとつでした。

今後若し救済すべき国がベルギー、イタリア、スペインへと拡散して行った場合、ドイツの負担は雪だるま式に増えるし、ある時点で欧州中央銀行はアメリカのベン・バーナンキFRB議長がやったように欧州版QE2(追加的量的緩和政策)を打ち出さざるを得なくなる可能性もあります。

そうなればユーロをショートしている連中にはまたとないペイデイ(給料日)が来るわけです。

そこまでカンタンに売り方の思うツボで物事が運ぶとは思わないけれど、、、アイルランド救済発表後のマーケットの動きを見る限りではまだまだユーロ苛めは始まったばかりという観があります。