企業向けソフトウエアのセールスフォース(ティッカー:CRM)のユーザー・カンファレンスが先週開催されました。

同社はTwitterのようなユーザー・インターフェースを持ったサービス、「チャター」を今年発表しています。

この「チャター」ですが同社の既存顧客への浸透はすこぶる好調で、既に多くの企業が「チャター」を導入したことで「仕事の効率がUPしただけでなく、社員ひとりひとりの貢献をどう評価し、人事考課するかについて大いに考えさせられる」というフィードバックを寄せています。


「チャター」にはいろいろな使い方があると思いますけど、例えば或る企業の営業部が顧客へのセールスのアプローチで困っていたとすると「チャター」を通じて或る社員が「僕は以前こういう売り方をしたら効果的だったよ」とかアイデアを持ち寄ることで営業上のブレイクスルーを得たり、或いは顧客の感じている不満や製品の問題点のフィードバックをすぐに吸い上げたりするような事が行われています。

この場合、組織に貢献するようなアイデアを出し、チームメンバーの役に立つ事のできる社員は必ずしもその組織のヒエラルキーで上の方の人とは限りません。

そこでセールスフォースでは社内の誰がこの企業内ソーシャル・ネットワークで企業の業績に貢献しているか?を測定する「チャタリティックス」という評価システムを開発、個々人の貢献度や影響力の把握を目指しています。

企業内ソーシャル・ネットワークの導入は上司・部下の境界線をぼやけさせる効果を持つし、名ばかりの部長や課長が居た場合、彼らの組織への貢献度の低さはすぐに浮き彫りになります。

また誰が経営情報を握り、組織のどのレベルで戦略的意思決定がなされるか?という問題についても根本的に考え方を改めなければいけなくなります。

これは企業の経営の透明性情報漏洩に対する管理などについても全く新しい対応が必要とされることを示唆しています。

それらは企業にとっては当然、新しいリスクとなります。その反面、意思決定のために必要な情報をどんどん最前線で戦っている社員と共有し、彼らのフィードバックを「チャター」などを使って吸い上げれば、企業としての機動性はどんどん向上します。

シリコンバレーのスタートアップなど若い企業では「チャター」に代表される企業内ソーシャル・ネットワークをアグレッシブに導入することでフラットで、かつ変化への対応が迅速な組織作りを目指すところが多いです。