人民元が強くなると中国人の購買力が増加します。バブル時代に日本で海外ブランド品のブームが起きたように中国でも今まさしくそのような消費ブームが起き始めています。

中国の裕福層は舶来のブランドを強く選好する傾向がありローカライズ(中国仕様)された商品は敬遠します。(但しサイズの問題がある洋服などは別ですが。)

なかでも2010年はワインと高級時計という2つの分野でのブームが話題になりました。

今日は比較的情報の少ない中国の高級時計ブームについて書きます。


先ず高級時計というカテゴリーが本当に大事なの?という点ですが、中国国内の市場規模で言うと155億人民元(*)であり、「化粧品、香水、パーソナルケア」に次いで2番目に大きい市場です。

なお中国人は海外旅行をした時にブランド品を買う傾向が強く、国内におけるブランド品購入と海外旅行時でのブランド品購入の比率は45:55(*)です。従って上の数字は中国人が海外で買い物した高級時計の数字を含んでいません。

高級時計の市場成長率は年率35%程度(*)だと試算されています。

中国でいちばん認知度の高い高級時計ブランドとなるとロレックス、オメガ、カルティエになります。(*)

このうちオメガはスウォッチ、カルティエはリシュモンの傘下です。

【リシュモンRichemont】
リシュモンは高級時計に特化した企業であり、中国関連の売上比率が最も高く、従って最も急成長している企業と言えます。同社のブランドは:

Baume & Mercier(ボーム&メルシエ) 
Cartier (カルティエ)
Dunhill (ダンヒル)
IWC (インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)
Jaeger-Lecoultre (ジャガールクルト) 
Lancel (ランセル)
Montblanc (モンブラン)
Montegrappa (モンテグラッパ)
Piaget (ピアジェ)
Vacheron Constantin (ヴァシュロン・コンスタンタン)
Chloe (クロエ)
Van Cleef & Arpels (ヴァンクリーフ&アーぺル)
Roger Dubuis (ホジェデュビュイ)

などです。

9月〆の2011年度上半期決算では売上高が+37%、営業利益が+95%、キャッシュフローが+86%成長しました。

ボーム&メルシェ(米国・欧州中心)を除く殆どのブランドが急成長していますがとりわけピアジェ、カルティエの2つのブランドが好調でした。

グロスマージンは64.8%、営業マージンは23%でした。

なおこの目覚ましい成長はその前年がリーマン・ショックの影響で大きく落ち込んでいたので、前年比較が容易だという特殊要因があります。

従って2011年下半期からは前年比較が困難になることを頭に入れておく必要があります。

なおリシュモンはスイスのジュネーブが本社であり、上場企業です。ロイターのティッカーはCFR.VXでCMC MarketsではCFDの扱いがあります。

(*)数字はいずれも調査会社ベインによる。またリシュモンのデータは同社IR資料より