(大失態を演じるまでに余り時間かからなかったな)

というのが「グルーポンおせち料理事件」のニュースに接した僕の感想です。

この事件が原因でおせち料理を作った会社、バードカフェの社長は辞任しました

でも僕の考えでは日本のGrouponにも責任があると思います。

【デュー・デリジェンスの欠如】
まずキャンペーンでとりあげる企業のサービスや製品の内容を事前にチェック(=それをデュー・デリジェンスといいます)するのは小売業者として当然の事であり、辞任した社長のインタビューではGrouponからの事前のチェックはどうやら甘かったようです。

【業者への指導の欠如】
Grouponの目下の問題は宣伝効果が無いことではありません。宣伝効果がありすぎることが問題なのです。この問題はアメリカでも出ており、キャンペーンを張ろうとする地元の業者が自分の顧客対応能力の限界を超えたクーポン数を出さないようにGrouponの担当者がブレーキを踏む役割を果たしています。今回の事件では当初100程度の出荷量を見込んでいたところが500に増えた、、。これが「おせちがスカスカ」になった理由のひとつだと思います。

【ボリュームをこなすことへのプレッシャー】
当初計画の5倍の量をこなさなければいけなくなれば当然いろいろなところでムリをします。サービスや製品のクウォリティとボリュームはこの場合、トレードオフ(あちらを立てれば、こちらが立たない事)の関係に陥りやすいです。Grouponの問題点はここで明らかに品質より数量を優先する判断をしたことです。

なぜ数量を優先する誘惑に負けたのでしょうか?

それはGrouponという会社が今急成長中であり、世界の拠点ごとに成績を競争している状態にあり、売上を伸ばすことに対するプレッシャーが高まっているからです。


【ローカルへの権限移譲の問題点】
Grouponは地域毎のベンダーと組んでキャンペーンを展開するため、どうしても営業管理はその都市ごとの拠点に委譲されざるを得ません。地域マネージャーのハラひとつでその地域のGrouponが顧客満足を最優先する、草の根的な支持を積み上げる組織になるか、それともやっつけ仕事の成果第一主義の組織になるかが決まるのではないでしょうか?

問題はいち拠点(=東京)が今回のような事件を起こすとそれがソーシャル・メディアをつうじてGroupon全体の評判を毀損することにつながりかねない点です。

【足抜きをはじめている経営陣】
さて、先週Grouponがプライベート・ラウンドで資金調達したとき、(あっ!)と思った点があります。

それは創業メンバーがちからいっぱい持ち株を売っていた点です。

もしGrouponがそんなに素晴らしいビジネスなら、なんで経営陣がIPO前にごっそりキャッシュアウトする必要があるのでしょうか?(=普通IPO後に公開市場で得た株価評価の方が未公開株より有利な値段が付きます)

いま急いで株を処分するのは一般投資家やVCに見えてない事が経営トップには見えているからだと思います。

ひとたびIPOのプロセスに入ると経営陣が処分できる持ち株数はロックアップ契約などにより厳格に規定されてしまいます。だからプライベート・マーケットで「闇から闇へ」持ち株が処分出来るうちに足抜きをはじめた方がトクだとう発想になるわけです。

今回のプライベート・ラウンドはGrouponの経営者の器量を知る上でとても参考になりました。