チュニジアの革命は同国の国花がジャスミンであることから「ジャスミン革命」と名付けられました。

一体、チュニジアの政府はなぜあっという間に転覆したのでしょうか?

インターネットでのさまざまな説明をかき集めると、次のような解説がなされています。

事の発端は去年の12月にある失業中の大学生がなんとか食いつなぐために青空市場で農産物を無免許で売ろうとしたことにあります。これを警察に咎められ、公衆の面前でわらいものにされたこの大学生はそれを苦にして焼身自殺を図りました。

このニュースは同国で同じ境遇にある若者たちの同情を買いました。

そんな折、ウィキリークス(WikiLeaks)でベンアリ政権の外交文書が公表されました。


その中に駐チュニジア・アメリカ大使の「チュニジアでは腐敗が横行している」というコメントがありました。

ウィキリークスでチュニジアの大統領一族の腐敗を知った国民は怒りました。

チュニジアは高等教育を受けた若者が多くFacebookの普及率も高いです。彼らは殆ど自然発生的にソーシャルメディアを通じてデモを組織して行ったのです。

今回の事件はアラブ世界で草の根的なデモが政府を転覆した最初の事例です。

アラブ世界ではチュニジアと同じように民主主義がちゃんと機能していない国が幾つもあり、それらの国々の置かれた状況は酷似しています。

具体的にはモロッコ、アルジェリア、エジプト、ヨルダンなどが高失業率、食品インフレ、過度の警察権力の行使、人権侵害などの問題を共有しています。

既にカイロやアンマンではチュニジアに触発されたデモが起こっています。

1979年のイラン革命はアラブ世界を大きく揺さぶりましたが、それと同じような衝撃が今、アラブ世界を包んでおり、不安定さを増しているのです。