【天然ガス開発】
そこでカタールのオフショア天然ガス開発がいよいよ本格化します。ロイヤルダッチやエクソン、サソルなどの大企業が次々に進出し、世界最大規模かつ最新鋭の天然ガス処理基地をラスラファンに建設したのです。

ラスラファン工業地帯はマンハッタンの2倍の敷地を全部石油・天然ガス・コンビナートで埋め尽くすという巨大なプロジェクトです。



つまりカタールは砂漠に滑走路を敷いただけで、その何百倍もの外国からの直接投資資金を獲得出来たというわけです。

4-qatarなおカタールのノースフィールドと呼ばれる天然ガス田は地底でイランのサウスパースと呼ばれる天然ガス田とつながっています。

だからカタール側でどんどん天然ガスを吸い上げるといずれイラン側の天然ガスもカタールに盗られてしまうリスクがあるわけです。

この両国はBPの統計によれば天然ガスの確認埋蔵量で世界2位と3位を分け合っています。

しかし実際のところこれらの天然ガス田はひとつの大きなつながっている地層に他ならないのです。

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昔なら若しカタールがオフショア開発しようものならイランがミサイルを撃ち込んで牽制するところでしょうが、今はアメリカ空軍がアラビア湾を隔ててイランの喉元を押さえつけているので、イランとしては地団駄踏んでくやしがる以外に無いのです。


【2号サンという秘密兵器】
しかしカタールの成功は単にアメリカ軍を誘致したことだけに依拠していません。

カタールにはモザー・ビン・ナセル・アル・ミスンドという「秘密兵器」があるのです。

モザー・ビン・ナセル・アル・ミスンドはハマド・ビン・カリファの2番目の奥さんです。(アラブの国では奥さんは4人まで娶ることが出来ます)

彼女は熱心な教育者であり、女性の権利の擁護者であり、また言論の自由の信奉者です。
彼女は国連のユネスコ教育大使を務めるほか、アラブ民主主義基金の会長です。アラブ圏の代表的な報道メディアであるアル・ジャジーラの運営でも活躍しています。

彼女はフランスの芸術アカデミー(アカデミー・デ・ボザール)の会員です。芸術アカデミーの会員というのは誰でもがなれるものではなく、日本人では丹下健三や小沢征爾など数人しか会員は居ません。

彼女はコーネル大学の大学病院やカーネギー・メロン大学のカタール分校などを招致し、同国の教育水準を引き上げる事に奔走しています。

下の動画は2022年FIFAワールドカップの選考にあたって彼女がカタール代表として行ったスピーチです。「一体、いつになったら来てくれるの?」という彼女のこのスピーチは欧米の知識層の間で話題になりました。演説の上手いオバマ大統領やスティーブ・ジョブスも裸足で逃げ出すほど説得力に満ちた美しい演説です。