フェイスブック(Facebook)がかねてから報じられていた10億ドルの資金調達を完了しました。

今回のプライベート・ラウンド(私募)は同社の時価総額を500億ドルと評価しています。

さて、フェイスブックが本当にそれだけの価値のある企業なのか?ということについて少し考えてみたいと思います。

同社は創業して既に8年が経過しているので比較の対象としては創業後2年ほどでIPOしたヤフーなどの初期ドットコム・ブームの企業群と比較されるべきではなく、むしろグーグル(GOOG)と比較されるのが妥当だと思います。(ヤフーのIPO時の社員数は僅か50人程度、年商は130万ドルですから全く参考になりません。)

グーグルも2004年のIPOまでには6年が経過しており、IPOした年の通年の売上高は31.9億ドルありました。

つまり会社としてしっかり売上、ならびに利益が出せるメドがちゃんとついていたわけです。

2004年のグーグルのIPOでは値決め時($85)の時価総額は236億ドルでした。この年の高値は$201.6であり、その時点での時価総額は559億ドルでした。

株価対売上比率(PSR)に直せば値決め時のPSRは7.39倍、$201.6でのPSRは17.53倍というわけです。その後、グーグルのピークPSR(それぞれの年の株価の最高値を基準にしています)は下のグラフのように推移します。
facebook valuation


するとグーグルのPSRはいちばん高いときでも21.58倍までしか到達しなかったわけです。

なおグーグルのIPOの前後は毎年同社の売上高は100%以上成長していました。

現在のフェイスブックの年間売上高は12億ドル程度だと言われています。すると株価対売上比率(PSR)は41.6倍という計算になります。

現在のフェイスブックの売上成長率は100%には満たないと思います。

普通、IPO直前のハメコミ(=つまり今回の10億ドルの資金調達)の時の時価評価よりIPOは高い値段で値決めされるのが一般的です。

そのように前回より高い水準で値決めすることをアップ・ラウンドといいます。

するとフェイスブックのIPOがごく普通のIPOの慣習であるアップ・ラウンドでIPO初値を決めるということになるのであれば、同社の初値設定は過去にグーグルが一度も経験していないような極めて高いバリュエーションでなされるということになります。

もちろんフェイスブックのIPOが予定されている2012年の春頃までに現在の売上成長率(大体年率70%から80%と推定)が大幅に加速すれば話は別です。しかし普通に考えて既に12億ドルもの売上規模を誇るフェイスブックの売上成長率が突然+200%とかに加速するというのはかなりありえないシナリオではないかな?と思います。