エジプト各地でのデモ行進が続いています。
これまでの抗議行動が従来のアラブ世界での騒乱と根本的に異なるのは、今回の若者たちのデモ行進が宗教というものを軸として組織されたものではない点です。
むしろ群衆はデモクラシーとパンと腐敗の根絶を求めて立ちあがっているのです。
ムバラク政権は極端に宗教がかった勢力を「異端」として、それを国民の敵と位置付ける事で強大な警察権力を維持し、この不安を口実として独裁的政治を続けてきました。
しかし今回のデモでは異端で非合法だとされるムスリム同胞団(穏健派イスラム原理主義組織=事実上の最大野党)は表立った動きはしていません。わざと騒乱から距離を置いているのです。
従って若者たちの蜂起は核になるものが欠けており、求心力に乏しい運動であると見る向きもありました。
それがエルバラダイのカイロ入りで変わりつつあります。
モハメド・エルバラダイは法律家の一家に生まれ、カイロ大学やニューヨーク大学で学んだエリートです。彼は国際原子力機関(IAEA)事務局長を務め、2005年にはノーベル平和賞受賞者を受賞しています。
ノーベル賞受賞に際しては「核を持とうとしているイランを先制攻撃で叩け!」と主張するイスラエルやアメリカをけん制し、「イランにはまだ核爆弾は無い。話し合いで解決すべきだ」と粘ったことが評価されました。
これまでの抗議行動が従来のアラブ世界での騒乱と根本的に異なるのは、今回の若者たちのデモ行進が宗教というものを軸として組織されたものではない点です。
むしろ群衆はデモクラシーとパンと腐敗の根絶を求めて立ちあがっているのです。
ムバラク政権は極端に宗教がかった勢力を「異端」として、それを国民の敵と位置付ける事で強大な警察権力を維持し、この不安を口実として独裁的政治を続けてきました。
しかし今回のデモでは異端で非合法だとされるムスリム同胞団(穏健派イスラム原理主義組織=事実上の最大野党)は表立った動きはしていません。わざと騒乱から距離を置いているのです。
従って若者たちの蜂起は核になるものが欠けており、求心力に乏しい運動であると見る向きもありました。
それがエルバラダイのカイロ入りで変わりつつあります。
モハメド・エルバラダイは法律家の一家に生まれ、カイロ大学やニューヨーク大学で学んだエリートです。彼は国際原子力機関(IAEA)事務局長を務め、2005年にはノーベル平和賞受賞者を受賞しています。
ノーベル賞受賞に際しては「核を持とうとしているイランを先制攻撃で叩け!」と主張するイスラエルやアメリカをけん制し、「イランにはまだ核爆弾は無い。話し合いで解決すべきだ」と粘ったことが評価されました。
ブッシュ政権のライス国務長官はエルバラダイを「足を引っ張る厄介者」として公式の場であからさまに批判したこともあります。
そのエルバラダイが今日、エジプトに帰国しました。
これでいままで求心力を欠いていたエジプトの革命は新しいリーダーを得たことになります。
オバマ政権はたいへん難しい選択を迫られます。
なぜなら民主主義の擁護という点ではエルバラダイよりクレディビリティのあるリーダーは居ないので、同じデモクラシーの信奉者であるオバマはエルバラダイを支持せざるを得ないからです。
ところがアメリカ合衆国はキャンプ・デービッド合意以来、ずっとエジプトを友好国と見做しており、最大級の経済支援をするとともにアメリカの中東政策のかなめとして扱ってきました。このためムバラク政権が独裁政権色を強めても、見て見ぬフリをしてきたのです。
エルバラダイは既にオバマ政権に対しても批判的なコメントをしています。
昨日、ヒラリー・クリントン国務長官が「エジプトの状況は比較的安定している」とコメントしたのに対して「30年間戒厳令が続いている独裁政権を安定していると形容するのは致命的だ」とボロクソに貶しました。
いま米国国務省はキャンプ・デービッド合意以降30年以上続いてきた中東戦略を白紙の状態から練り直す必要に迫られているのです。
そのエルバラダイが今日、エジプトに帰国しました。
これでいままで求心力を欠いていたエジプトの革命は新しいリーダーを得たことになります。
オバマ政権はたいへん難しい選択を迫られます。
なぜなら民主主義の擁護という点ではエルバラダイよりクレディビリティのあるリーダーは居ないので、同じデモクラシーの信奉者であるオバマはエルバラダイを支持せざるを得ないからです。
ところがアメリカ合衆国はキャンプ・デービッド合意以来、ずっとエジプトを友好国と見做しており、最大級の経済支援をするとともにアメリカの中東政策のかなめとして扱ってきました。このためムバラク政権が独裁政権色を強めても、見て見ぬフリをしてきたのです。
エルバラダイは既にオバマ政権に対しても批判的なコメントをしています。
昨日、ヒラリー・クリントン国務長官が「エジプトの状況は比較的安定している」とコメントしたのに対して「30年間戒厳令が続いている独裁政権を安定していると形容するのは致命的だ」とボロクソに貶しました。
いま米国国務省はキャンプ・デービッド合意以降30年以上続いてきた中東戦略を白紙の状態から練り直す必要に迫られているのです。