デモクラシーインデックス

今後中国をはじめとする新興国各国の政策金利は急騰すると思います。

利上げは最初の1~2回はそれほど株式にとって悪影響は無いけれど、後になるほど市場崩落のリスクは増大します。

最近では2008年に多くの新興国でそれが起きました。

一例を挙げればベトナムではリーマン・ショックが襲う前から急激な利上げが引き金となってマーケットが暴落しました。

高値から安値迄で株価が5分の1になったのです。


もう少し専門的な投資用語で言えば、強烈なマルチプル・コントラクション(=PERがさがること)が起きるリスクが高いのです。

なぜ新興国の政策金利は跳ね上がるのでしょうか?

それは中国、インド、ベトナムなど、余りにも多くの新興国でインフレ率が政策金利を上回ってしまっているからです。

インフレ率が政策金利を上回っていることを「実質マイナス金利」と言います。

実質マイナス金利はなぜいけないのでしょうか?

それは「銀行にお金を預けておくより、綿花やニンニクや金塊などの実物資産で持っておく方が安全だ」という態度を一般庶民に植え付けてしまうからです。これはインフレ期待を増大させます。

既にチュニジアやエジプトの例で見たようにインフレは社会を不安定にさせるひとつの要因です。チュニジアやエジプトの経済を振り返った場合、少なくとも株式投資をするようなリッチ層の目からみれば「経済は上手く行っていた」という風に映ったかもしれません。

実際、エジプトではカイロの郊外に新しいIT団地などが造成され、アウトソーシングの拠点になろうとしていました。

でも株式投資などとは無縁の庶民の目からすれば、新興成金は目に余る存在だったに違いありません。

デモクラシーが無く、同時にインフレが襲うというのは新興国にとって最も悪い取り合わせです。

当分の間、デモクラシーへ移行できないのなら、せめて徹底的にインフレを退治するのが為政者の保身上、急務になるのです。

英国の雑誌、「エコノミスト」は世界の国々がどのくらい民主主義を享受しているかを指数化した、デモクラシー・インデックスというのを出しています。

それによると世界で最もデモクラシーが進んでいるのはノルウェーで、指数は9.80です。
ドイツは14位で8.38、アメリカ合衆国は17位で8.18、日本は22位で8.08です。

今年に入ってから反政府デモが起こった国々の多くはこのデモクラシー・インデックスで最下位に近いです。

彼らはデモクラシーに移行する気はサラサラ無いでしょうから、あと出来ることは唯一つ、金利を少なくとも現在のインフレ率より高い位置まで利上げすることで、実質マイナス金利という異常な状態を是正することだけです。

株ですか?

当然、下がるに決まっています。