エジプトの反政府デモを組織しているのはニューヨーク・タイムズによればごく一握りの「ネットの達人」的な若者たちだそうです。彼らはソーシャル・メディアを通じてデモ行進を呼び掛けているうちに自分達がとてつもない市民パワーの盛り上がりの真只中に居ることに気付きました。

火曜日にはいよいよ「100万人のデモ行進」が実行に移されるのですが、これを駆動(コマンド)しているのが「気が付いたら、維新の志士になっていた」20代の若者たちです。

そのデモ行進のスケールの大きさには従来のエジプトの野党勢力であるムスリム同胞団などの古くからある政治グループも面喰いました。「これはウチの連中じゃない。だいいちスケールが違いすぎる!」

そこで普段はお互いに対抗しあっている反政府グループたちもとりあえず流れに付くことにしました。

「兎に角、この若者達についてゆこう!」


さて、この維新の志士たちは「影の議会」と呼ばれる、10名程度の代表を色々な野党の関係者などから選び、そのリーダーにエルバラダイ元IAEA局長を指名しました。

この10名のメンバーの中にはムスリム同胞団の幹部も入っています。しかし「代表は絶対エルバラダイでなければ駄目だ」ということは若者達が決めました。

「いま世界の人たちにクレディビリティ(信用)があるスポークスマンはノーベル賞受賞者のエルバラダイ以外に無い。若し宗教色を前面に出したら成就するものも成就しなくなる」というのがその理由です。

つまり作戦指揮しているのは若者たちで、エルバラダイは彼らに言われるとおりに動いているのです。

彼らは何処へ向かっているのでしょうか?

それはつまり立憲民主制(constitutional democracy)ということだと思います。

以前のエントリーにも書きましたが、アラブ世界は世界でも最も人口増加が急激な地域のひとつであり、3.5億人居るアラブ人のうち半分は25歳以下です。

この圧倒的な人口動態のトレンドの下で従来の政体は急速に統治能力を失っているのです。