オバマ政権がムバラク大統領の梯子を外す決心を固めつつあります。

この決心に至るまでに幾つかの新しい展開がありました。

先ず昨日、ムバラク大統領とオバマ大統領がそれぞれ別個にテレビ演説をしたわけですが、その際、オバマ大統領はデモ行進をしている市民の安全を最優先するよう嘆願しました。

しかし今日、ムバラク大統領はこれをわざと無視し、ならず者たちを雇ってデモ隊に見せかけタハリール広場に送り込みました。

ウォールストリート・ジャーナルのカイロ特派員、マット・ブラッドレーは「過去にもムバラク大統領はこういうやり方で市民を脅し、八百長選挙を演出したりすることが常態化していた」としています。



マット・ブラッドレーは今日、エルバラダイ反政府勢力代表とインタビューしましたが、エルバラダイは形勢有利と見たのか、自信に満ちた態度だったそうです。エルバラダイは「市民のデモ行進にならず者達を雇って差し向けるような大統領とまともな話し合いが出来るわけ無いだろう」と記者団に応えています。

世論は「ムバラクのやり方は卑怯だ」という方向へ傾いており、反政府派への同情は強まっています。

エルバラダイは3名から成る大統領諮問委員会を組織し、公正な選挙を経て民主化へと移行する過程を監督する方法を提唱しています。

ワシントンDC支局のジョナサン・ワイスマン記者はオバマ政権がムバラク大統領を切る決断にほぼ至ったと解説しています。

オバマ政権はとりわけ今日のムバラク大統領がオバマ大統領の非暴力の嘆願を無視したことに立腹しており、またオバマ大統領が「いますぐ話し合いをはじめるべきだ」と要求したのをエジプト外務省が却下したことを重視しています。

ワイスマン記者によると:

1. オバマ政権が余りにも早くムバラクを切ると他の親米政権にショックを与える心配がある
2. ムバラクはイスラエルにとっても大事な友好国なのでそれへの配慮もしなければならない

という2つの懸念が先週まではオバマ政権内に存在したが、今となってはもうそれらのポイントは顧みる必要は無いというのがホワイトハウスでのコンセンサスになりつつあるとしています。

つまりオバマ政権は「ムバラクはもうオワタ」という認識で一致を見たわけで、「あとはどう犠牲者を最小限にとどめながらムバラクを追い払うかだ」という問題にフォーカスしはじめています。


【コメント】
この記事はウォールストリート・ジャーナルの動画「PM report」に基づいて再構成しました。