下はCBOEのボラティリティ指数(VIX)のチャートです。
VIX2

(出典:ストックチャーツ)
VIX指数は俗に「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の慌て具合を示していますが、現在の数値(15.69)は最近の大底圏に近いです。

エジプト情勢が緊迫した1月末のピークでも20.08と高値からは程遠いことがわかります。

つまり投資家はエジプト情勢でパニックしたか?と言えば、そもそも全然パニックなどしていないのです。

もう少し正確な議論をするために個々の原資産別のボラティリティを検証します。


下はリスクメトリックス社のリスクグレードというボラティリティ指数をグラフ化したものです。
a

(出典:リスクメトリックス)
先ずエジプト危機の前(1月1日)と現在で投資家の慌て方が増えたか?については青と赤の線を比較して下さい。

これについては次のようにまとめることが出来ると思います。

【ボラティリティが増加した原資産】
インドSENSEX指数
ユーロ・ドル
ゴールド
原油

【ボラティリティが減少した原資産】
上海総合指数
ブラジル・ボベスパ指数
ロシアRTS指数
インドネシア・ジャカルタ指数
米国30年債
ドル・円

しかもこのグラフで興味深いのは米国の長期債のボラティリティよりも大半の新興国の株価指数ボラティリティが低くなっているということです。

その米国の長期債のボラティリティも今が特段、高いわけではなくて、むしろ最近では低下傾向にあることがわかります。

これらの事から次のようなことが言えます:

1. そもそも現在は全ての投資対象のボラティリティが極めて低い
2. 債券より新興国のボラティリティが低いのは珍しい

従って、僕は現在のボラティリティの低さに寧ろ不安を感じます。

なお年初来(つまりひと月余りの期間)の主要市場のパフォーマンスを見ると下のようになっています。
b

パニックを伴わずに新興国の株価は粛然と下げたのです。

アク抜けには程遠いと思います。