サウジでは「石を投げればプリンス(皇子)に当たる」というくらい、皇子の数は沢山居ます。

だからただ王家の血筋に生まれたからといって全員が自動的に超富豪になれるわけではありません。

アルワリード皇子はもともと土建屋とかビザのエージェントの会社の経営から一代で巨万の富を築いた立志伝中の人です。

そのアルワリード皇子がニューヨーク・タイムズの投書欄に「アラブ諸国の政治改革は待ったなしだ」という主題の投書をしています。

以下はごく一部の抄訳:

アラブの人口の過半数は25歳以下の若年層だ。そして若者の失業率が軽く20%を超えている国が多い。失業率は女性に至ってはもっと高い。アラブの女性は経済的にも苦しい立場に立たされているし、社会的にも虐げられている。アラブの中流の人たちの暮らしは最近のインフレで苦しくなっている。生活水準の向上の夢は遠ざかっている。さらに裕福層とそれ以外の格差は拡大している。


アラブの政治は時代遅れだし、脆い基盤の上でグラグラしている。為政者の国の治め方はだんだん時代錯誤的になっているうえ空回りしている。意思決定は一握りの長老たちの中だけでなされることが多い。そしてそれらの決断は往々にして権力の座にあるものが自分の特権を伸長し、護る見地からなされることが多い。
庶民の政治への参加の途は閉ざされているか、一党独裁が永久に続くようにまるで八百長試合のように仕組まれたものになってしまっている。

このようにアラブ世界の現況をみるとガックリすることが多い。しかし今からでも遅くは無い。政治改革は未だ間に合う。世界を見回せば他の国でも現在のアラブ世界が置かれたような後退を経験したのち政治改革により元気を取り戻した例はある。

しかしそのためにはよりオープンで幅広い国民層からの政治への参加やアカウンタビリティ(=結果への責任を負わされること)、政治の透明性の向上、そして女性の参政権を確保することが必要である。

貧困問題、識字率の向上、教育のテコ入れ、失業問題の解決などはすぐに取り組まないといけない問題だ。

風向きは変わった。

国民を政治のプロセスから疎外するような社会はもう機能しない時代が来た。