BPのスタティスティカル・レビューによると2008年から2009年にかけて日本の原油消費は-10.7%でした。

日本の原油消費がピークを打ったのは1996年です。以来、趨勢としてはだんだん原油の消費は下がっています。

これは考えようによっては日本のエコへの取り組みの成果と捉えられなくもありませんが、それでは日本の海外への資源依存体質が改まったのか?といえばそうとも言い切れません。

下のグラフは米国、中国、日本における国内石油生産と石油の総消費量を示したものです。

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日本では案外知られていないのですが中国も米国も石油の自給率はかなり高いです。

また米国はカナダから沢山原油を輸入しています。
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カナダはいわゆるオイルサンドを産出します。

原油価格が85ドルを超えると急に採算性が改善するので供給がどんどん増やせる仕組みになっています。カナダからアメリカにはトランス・カナダ・パイプライン(ティッカー:TRP)などのパイプラインが縦横に走っています。

米国の場合、いま反政府デモが吹き荒れている中東・北アフリカへの依存度は18%とあまり高くありません。

今後電気自動車が普及すると原油の輸入はもっと下がること言われています。

もうひとつの要因として米国では最近沢山天然ガスが発見されていることを指摘しないわけにはゆきません。

所謂、シェール・ガスとよばれる岩盤の下に閉じ込められた天然ガスを水平掘りによって回り込んで取る方法が開発され、これまで食い散らかされ、放置されてきた「残り物」の天然ガスが全部取れるようになったのです。

このため天然ガスの市況は急落しています。

アメリカの発電所は天然ガスと石炭で動いています。

天然ガスがどんどん出るということは安く発電できることを意味し電気自動車の普及にとって良いことです。

欧州の場合、石油の輸入の大半はロシアから来ています。
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しかし地中海地方、つまりイタリアやスペインは輸入の多くを北アフリカに頼っています。これは距離的に近いからです。

このためリビアでの油田の操業ストップはこれらの国を直撃します。

実際、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアの各国は原油価格が上昇すると他の経済条件が全部同じでも急速に貿易収支が悪化するという構造になっています。

良いニュースとしては欧州はもともとガソリン代が高いということです。


これはなぜかというとガソリンに課せられる消費税がもともと高いからです。そのため、比率としては末端のガソリン代の上昇幅はアメリカほどひどくはありません。

ただ最近はブレントがWTIに対して独歩高のようになっているので、今回欧州の受ける影響は以前のショックより大きいと言えます。

中国は中東への依存度が高いです。
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北アフリカにはあまり依存していません。

そのかわりサハラ砂漠以南のアフリカ諸国、具体的にはアンゴラなどに大きく依存しています。これは中国が特定の産油国ととりわけ緊密な関係を気づいてゆこうと考えていることのあらわれです。

日本の場合、中東への依存度は極めて高いです。
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