鉄道株はウォーレン・バフェットの現在のポートフォリオの中でも極めて重要な地位を占めるコア・ホールディングです。

鉄道セクターの各社の財務内容を見ると、なぜバフェットがこのセクターを大好きなのかたちどころに理解できます。

先ず各社ともキャッシュフロー成長がすごい。

営業マージンやROEも年々、尻上がりに向上しています。

昔は鉄道株というと万年業績が横這いで、退屈極まりないセクターだったのですが、最近は「鉄道ルネッサンス」とも言うべき好況が同セクターを包んでいます。

これは中国をはじめとする新興国の台頭と密接に関係があります。

中国は今、大挙して北米や南米から穀物を輸入に切り替えていますし(=水不足でコスト高な中国国内とではぜんぜん競争力が違います)石炭や肥料などの出荷も好調です。

一方で中国で加工組立された製品はコンテナ船でどんどん北米に陸揚げされています。

このように輸出と輸入の両方が活発化しているのです。

今日はそのような長期トレンドの恩恵を受ける銘柄をひとつ紹介します。

カナディアン・ナショナル・レイルウエイ(ティッカー:CNI→ニューヨーク証券取引所)は延長2.1万マイルというカナダ最大の鉄道網を持つ鉄道会社です。

同社の鉄道網はカナダ西海岸のハリファックスから東海岸のプリンス・ルパートまで、大西洋と太平洋を結んでいます。また米国のイリノイ・セントラル鉄道を買収したことによりカナダからシカゴを経由してニュー・オルリンズまでアメリカを縦断する路線も手に入れました。これによりメキシコ湾へのアクセスも確保したわけです。
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(出典:カナディアン・ナショナル・レイルウエイ)

北米の鉄道会社の中でこの3つの海へのアクセスを持っているのは同社だけです。

同社の資産稼働率は63.6%でこれは米国の鉄道株より少し悪いです。また営業マイル当たりの売上高も米国の鉄道よりは見劣りします。
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しかし稼働率や営業マイル当たり売上高はおのおのの企業の売上高の内訳(積荷)にもよりますので単純な比較は出来ません。

同社の場合、石油・化学製品が16%、鉱物が10%、林業が14%、コンテナが19%、石炭が7%、穀物が17%、新車が6%という構成になっています。

日本の感覚からすると鉄道会社というと旅客を先ず連想しますが北米の場合、もっぱら貨物が主流です。

石炭は下のような、いわゆるオープン(無蓋)・ホッパーと呼ばれる貨車により運ばれます。
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(出典:カナディアン・ナショナル・レイルウエイ)

また穀物は下のようなカバード(有蓋)・ホッパーで運搬します。
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(出典:カナディアン・ナショナル・レイルウエイ)

コンテナは海上輸送から直接貨車の上に積み替えられて輸送されることから「インター・モーダル」と呼ばれることもあります。
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(出典:カナディアン・ナショナル・レイルウエイ)

同社は他の北米の大手鉄道会社同様、近年、景気回復や輸出(穀物、石炭など)の好調で素晴らしいキャッシュフローの伸びを示しています。

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営業マージンは約48%、純利益マージンは25%、ROEは18%、PERは16倍と、どこから見てもピカピカ。