元ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト(注:ゴールドマンのマクロ・チームは歴史的にオソマツ)でニューヨーク連銀総裁に転身したビル・ダッドリーがニューヨークの下町、クイーンズ地区で地元の下々の人たちに対してFRBが実施している金融政策の意図を説明する「町内会」を開きました。

その質疑応答の中で「なぜ最近、ガソリンや食品の値段が騰がっているのですか?」という質問が出ました。

これに対してダッドリー総裁は「FRBはガソリンや食品はコア・インフレとは見做していない。たとえばiPadを見てみろ。iPad2はiPad1より2倍パワフルだけれど、値段は一緒だ。これは半額になったのと同じだ」と答えました。


会場からはダッドリーをあざける高笑いの声があちこちから漏れ、庶民のひとりが立ちあがって「お言葉ですが、iPadは食べられません!」と言いました。また別の聴衆は「ダッドリーさん、最後にスーパーに買い出しに行ったのは何時ですか?」と問い詰めました。

いまアメリカ国民にとって心配ごとは連日高騰するガソリン代であってタブレット・コンピュータのクロック・スピードがどうだとかデュアル・コアがどうだとか、そういう問題ではありません。

少し前に厳しさを増す投資環境を踏まえて「防空壕型ポートフォリオ」に投資戦略を変更したときに書きましたけど、今の相場ではわれわれの生活に最も影響を与える、原油をはじめとするエネルギーや安全のproxyであるゴールドを抜きにしたポートフォリオというのは僕には想像できませんね。