米国の投資週刊誌『バロンズ』(毎週現地土曜日に出ます)が「いまこそ日本を買おう!」という巻頭特集を組みました。

とりあえず下がその表紙です。
ON-AS467_cover__KS_20110318222306



以下抄訳:

想像を絶する災難に相次いで見舞われた日本だが日本人は「打たれ強さ」を証明する

世界の目は今、次々に日本を襲う災難にくぎ付けとなっている。大震災、大津波、原子炉の事故、、、1万人を超える人が犠牲になったのではないかという報告が入っているし原子炉の状態も心配だ。

大震災がおきた11日以降、日本株は12%下げた。しかしマーケットが過剰反応しているのは明白だ。確かに被害は莫大だし日本経済は今年減速を余儀なくされる。
しかしスローダウンは一時的なものにすぎないし、そのあとは復興で日本経済は健全な成長を見せる。

いま日本株はPER13.9倍で取引されている。日本株がこれほど割安になったのはリーマン・ショック以来だ。

一方、株価純資産倍率(PBR)で見れば日本株は1倍以下で取引されている。米国やカナダのそれは2倍以上だ。

もともと日本株は東日本大震災以前の時点でも割安だった。しかしここへきての下げで日本株は信じられないくらいの割安さになっている。それらの株は今後数カ月の間に10%以上リバウンドするに違いない。

具体的にはソニー(SNE)、キャノン(CAJ)、トヨタ(TM)、日産(NSAN)、資生堂(SSDOY)、KDDI(9433)、NTT(NTT)、三菱商事(MSBHY)、住友商事(8053)、伊藤忠(8001)、JFE(5411)、新日鉄(5401)などだ。

大手国際機関投資家は先週、日本株買いに出動した。

そのひとつが世界最大の運用会社、ブラックロックだ。

ブラックロックのチーフ・ストラテジストであるボブ・ドールは:

「短期的には日本株のラリーは続くだろう。もし原発の問題が無かったなら市場はもっと急角度で騰がっていたはずだ。もちろん今はだれもが確信を持てない状況だけれども、リスク・リワードを勘案すれば大地震前より現在の日本株の方が良い買い物であることは間違いない」


またピムコも「ピムコ・グローバル・マルチアセット・ファンド」で日本のETFを拾いまくった。

災難がおこっている真っ最中に買い出動することは感情的にとてもむずかしい。しかし今日本株を買うことは我々が日本人を信じていることの証明になるし日本企業や東京マーケットへの信認が揺るいでいないことを証明することになる。

(中略)

米国人にとってわかりにくいのは為替の問題だ。大震災があってからドル・円は82.8から76.25まで円高になった。円高は日本の輸出企業にとってマイナスだ。この円高がどうして起こったかというとそれはびっくりした投資家がリパトリエーションで資金を本国に戻したからだ。これは一時的な現象にすぎない。G7は円売り協調介入を決めているし、日銀が今、最も起きてほしくないシナリオは円高だ。

復興費用負担がどのくらいになるかは試算するのがむずかしい。神戸大震災のときは1230億ドルかかった。シティグループは今回のダメージを当時と同額くらいだと試算する一方、バークレイズ・キャピタルは今回の方が前回より70%も上回るとみている。

いずれにせよ損失額はGDPの計算には捕捉されない。なぜならGDPは経済活動の成長ないしは縮小を図る尺度で資産は関係ないからだ。

目下最大の不確実要素は放射線の問題と停電の問題だ。米国政府は米国民に警告を出しているが日本政府は問題ないことを強調(underplayed)している。東電は当初停電は4月まで続くとしているが可能性としてはもっと長引くことも考えられる。
東京方面で不測のおおきな停電があるリスクも日本政府が指摘している。

目先的には日本経済の減速は不可避だ。日銀は当初今年の日本のGDPは+1.6%と見ていたが、マイナス成長になる可能性もある。

野村証券は先週、成長率予想をこれまでの+1.5%から+1.1%に下げた。

(中略)

長期的には今回の自然災害は逆に日本の経済成長率を押し上げる可能性もある。それは経済復興のための歳出による。今回被害が出た地域は日本経済の7%に相当する。ピムコのモハメド・エラリアンは「電気が完全に復旧しなければ今年の日本のGDPはマイナスになってしまうかもしれない。だけど2012年にはどうせGDP成長率は+5%とか+8%というデカイ数字になる」いま最も割安で魅力ある株の多くは我々アメリカ人も良く知っている世界ブランド企業だ。
その多くは被災地近くに生産設備をもっているところもあるけれど、それと同時に彼らは国際展開もしているので日本だけに依存しているというわけではない。

ソニーの場合、株価純資産倍率(PBR)は0.87倍にすぎない。キャノンは今回の大震災で工場の一部をストップすることを余儀なくされたが年初来14.6%も下げている。キャノンのPBRは1.64倍、PER(株価収益率)は14倍だ。

トヨタと日産は一部停電の影響を受けるが日産のPBRは1.1倍、PERは8.4倍だ。一方、トヨタはPBR1倍、PER14.3倍で取引されている。

特にJFEは復興需要が見込める業種なのだが年初来-23.3%と下げがきつい。PBRは0.83倍だ。

(後略)