今年は年初から先進国株式市場が新興国株式市場をアウトパフォームしてきました。
下はその一例です。SPYというのは米国の代表的株価指数、S&P500に連動するETFです。EEMというのはエマージング・マーケット全般の動きに連動するETFです。
SPY

エマージング・マーケットからは1月の第二週あたりから海外投資家の資金が抜け始め、かなり激しい勢いでリパトリエーションがありました。

リパトリエーションというのはリスクを感じた投資家がお金を本国へ引き揚げる行為を指します

東日本大震災が起きた時、為替が円高に振れたのは投資家が海外に持ち出していた資金が慌てて戻されたからに他なりません。

これは教科書通りの反応です。

さて、中東のゴタゴタは未だ片付いていませんし福島の原発の状況も予断を許しません。しかしそれらのリスクは投資家にハッキリ認知されているので材料としてのインパクトは剥落しつつあります。

下のグラフは投資家の狼狽ぶりを示すVIX指数です。VIX指数は俗に「恐怖指数」と呼ばれています。
VIX

VIX指数が上昇するほど投資家は狼狽しているという風に読みます。現在は一旦急騰したVIX指数がまた下がり始めています。これは投資家の心が落ち着きを取り戻しはじめていることを示唆しています。

投資家がとりわけ新興国の先行きに懸念を抱いた理由は食品インフレでした。

しかし穀物の市況は急速に鎮静化しつつあります。


それは新興国の中央銀行がもう慌てて金利を引き上げなくて良くなりつつあることを意味します。

事実、東日本大震災があって以降、世界のエコノミストたちは世界のGDP成長の予想を下方修正しはじめています。

つまり投資家の主な心配事はこれまでの新興国におけるインフレから景気の鈍化へとシフトしつつあるのです。

景気が減速するとより高い成長を求めようとするのは投資家の常。すると成長率の高い新興国の株が見直される日も近いのです。

以上に述べた理由から出遅れ著しい新興国の株は今後先進国のそれにキャッチアップしてゆくものと予想されます

エマージング・マーケットは現在、投資家の間ではファッショナブルな投資対象ではありません。みんなが慌てて出てしまった後というのは新規の買い建てをするのに比較的安全なタイミングです。

日本の震災復興を支援する意味でG7は極端な円高局面では協調介入すると宣言しています。これは為替は比較的安定した展開が予想されることを意味します

日本経済は今後も苦しい状況が続くと思うので突然金利が上昇するリスクは低いです

これと対照的に新興国は高金利の国が多いです

これらの3つのファクターはキャリートレードを組むのに理想的な状況が現在至現していることを意味するのです。