コスモス・エナジー(ティッカー:KOS)はガーナ、カメルーン、モロッコなどアフリカ大陸に特化した独立系石油探索生産会社です。

同社は元トライトン・エナジーの経営陣が作った会社です。

トライトン・エナジーはタイランドその他で石油を発見し、後にアメラダ・ヘスに売却されました。

トライトンの経営者は上手く自分の会社を高値で買収してもらった後で、「夢よもう一度」という事でコスモス・エナジーを2003年に創業したわけです。

既に公開会社を大きく育て、しかも会社を売却して投資家を儲けさせた実績があるのでコスモス・エナジー創業にあたっては最初からウォーバーグ・ピンカスとブラックストーン・グループという著名なプライベート・エクイティー・ファンズがコスモスの事業資本の出し手として参画しました。


コスモスが先ず目をつけたのはアフリカの赤道に近いガーナです。

ガーナはコートジボアールとトーゴに挟まれた旧「ゴールドコースト」地域に位置する国です。

同国は1957年にクワメ・エンクルマらによる独立運動で植民地からの独立を勝ち取った国であり、現在の大統領はジョン・エヴァンス・アッタ・ミルズです。昔は軍事政権でしたが1992年に新憲法が発布されてからは民主的な選挙で大統領や議員が選出されています。

ガーナはオフショアでの大型油田の発見で今、開発ブームの真っ只中にあります。

同国の主な産物はココア、タピオカ、ピーナッツなどですが、最近は地下資源の開発に力が入れられています。

ガーナで最初の大型油田が発見されたのは2007年のジュビリー油田です。そしてオドゥム、トゥエネボアと相次いで油田が発見されました。

既にジュビリー油田は生産を開始しており、今年中に日産12万バレル程度の生産量に達すると見られています。

このジュビリー油田を開発したコンソーシアムはコスモス・エナジー(30.87%)、アナダルコ(30.87%)、タロウ・エナジー(22.89%)、GNPC(10%)などとなっています。

なおタロウ・エナジーはロンドン取引所に上場されている企業で、アフリカでの石油採掘の将来性が見込まれて既に人気株となっています。

今回、ニューヨーク証券取引所に上場されるコスモス・エナジーは既にこのタロウ・エナジーやアナダルコ・ペトロリアム(ティッカー:APC)などの公開資料からガーナにおける石油生産の実情がかなり情報開示されており、その点では同国の油田の構造や採算性は投資家によく理解されていると言えるでしょう。

コスモスにとってジュビリー油田は向こう8年間に渡って日産2.8万バレルの原油を生産する計算になりますので、当面の運転資本はこの油田によって賄えるというわけです。

そしてコスモスはジュビリー以外のガーナの油田の権益をおさえており、将来それらから石油が発見されれば業績のアップサイドがもたらされることになります。

またガーナと油田の構造がたいへん似ているカメルーンとモロッコでも鉱区を取得しています。

ジュビリー油田から産出される原油はAPIグラビティー37.7、硫黄含有率0.25%ということで極めて「軽く」、なおかつ「甘い」原油であり、高い値段で売れます。

なお今回のIPOでは経営陣ならびにウォーバーグ・ピンカスとブラックストーン・グループは一株も売りません。

従って3000万株はすべて新株です。

【データ】
レンジ:16から18ドル
値決め:5月9日の週
幹事構成:シティ、バークレイズ、クレディスイス
ディール後発行済み株式数:3.71億株
2010年売上高:934万ドル
EPS:赤字75¢