米国の株式市場にIPOされた若い企業に投資する場合、投資家が必ず守るべき鉄の掟があります。

【最初の決算でコケる企業に見込みは無い】
IPO直後の決算でロードショウの際に主幹事証券に伝えた業績予想より低い決算を出してしまう会社には投資する価値はありません。

主幹事証券は折角IPOに応募してもらった投資家を落胆させないよう、最初の業績発表に関しては極めて控え目に余裕を見た数字を提示するよう発行企業に指導します。

わざと自分の身の丈に合わせた、クリアしやすいゴールを設定するわけですから、自分で自分の設定した楽勝の目標を達成できないというのはよっぽど経営能力の無い経営者です。

だからIPO直後の決算をしくじった会社の株はすぐ売ってください。


【IPO後経営者がすぐ辞める会社も駄目】
IPOして2年以内にCEOやCFOが辞める会社も見込みはありません。

この点も経営幹部はIPOに際して主幹事証券から厳しく釘を刺されます。

【2回連続してネガティブ・サプライズを出す会社には見切りをつけろ】
若い会社の場合、まだ市場からは信頼されていないわけですから最初の数年間は毎期、決算発表のごとに市場予想をきっちり上回り、実績を積み上げる必要があります。

2回連続して決算が市場予想を下回った場合、投資家は愛想を尽かせます。

2回連続してチョンボした会社の株は出直るのに何年もかかります。これも見限るべき株です。

【会計事務所を変更する経営者は馬鹿だ】
会計事務所を変更する企業も駄目です。

この場合、業績の計上の仕方について会社側と会計事務所の意見が合わないことが原因になる場合が多いです。その99%は会社側の利益の計算の仕方が強引で、会計事務所の方が怖気づいてしまうというケースです。

会計事務所が無能で首になるというケースは稀であり、むしろ会計事務所に見捨てられる場合がほとんどなのです。

だから会計事務所が変わった会社の株は絶対に買ってはいけません。

また古い会計事務所が首になり、新しい会計事務所を雇う場合、新しい会計事務所はその会社の会計に不明朗な点は無いか徹底的に調べるものです。

その結果、新しい会計事務所は問題となりそうな箇所を最初に全て洗い出し、「これはわれわれの責任ではなく、前の会計事務所の責任だ」という風に保身をするわけです。

だから会計士を換えた瞬間にいろいろな不正会計が明るみに出やすいのです。

馬鹿な経営者はそこまで先を読まずに、ただ今の会計士が自分の意のままにならないという理由から会計士を換えたがります。そういう会社には見込みはありません。

投資銀行の側から言うと経営者が「公認会計士を変えたい」と言いだすと(この映画の結末は悲惨だな)ということがスッと見通せてしまうのでこっそりと幹事関係からの「足抜き」を画策しはじめます。なぜなら将来、会計スキャンダルが明るみに出た際、主幹事証券は火の粉を被りたくないからです。

つまりケチな打算から会計事務所をクビにしようというスケベ心を出したがために主幹事からも投資家からも見捨てられ、ペニー・ストック(二束三文の安値で上場廃止の死線を彷徨う泡沫株のこと)への道をまっしぐらに走ってしまうわけです。