「中国のFacebook」、レンレン(ティッカー:RENN)が今日、ついにIPOの値決め価格である$14を瞬間的に割り込みました。

この水準は何としても死守する必要があります。

なぜならIPO値決め価格を割り込んだディールに対しては米国の機関投資家は「これは主幹事のチョンボだ。だから我々投資家はもうこの企業を支持する義務は無い」と感じるからです。

普通、IPOのアロケーションが機関投資家に分配された場合、「すぐに売らないでくださいね」という暗黙のプレッシャーが主幹事からファンドマネージャーにかかります。

そこですぐ売った機関投資家に対しては次回から主幹事のアロケーションが悪くなる(=つまり嫌がらせ)のです。


このため長期に主幹事との良好な関係を築いてゆこうと考えるファンドマネージャーは少々アフターマーケットの相場が荒れても我慢して株を売りません。

しかし公募価格割れとなると話は別です。

公募価格割れということは主幹事の采配が悪かったことを意味するわけで、チョンボをしたのが証券会社の側である以上、ファンドマネージャーはその株をぶん投げても将来のアロケーションを貰う時の減点対象にはならないという考え方があるのです。

このためIPOが公募価格を割り、「壊れたディール」になった瞬間に怒涛の売り物が殺到します。

普通、主幹事は公募価格を割り込まないようにアフターマーケットで買い支えします。その買い指値のことを「シンジケート・ビッド」と言います。

しかしシンジケート・ビッドの買い注文はもともとオーバー・アロットメント・オプションと呼ばれる、「字余りで余計に株を出しても構いませんよ」という条項に基づく買い余力であることは以前に説明しました。

今回のレンレンの場合、主幹事はディール後に早々に「オーバー・アロットメント・オプションを行使した」旨を公告しました。つまり買い支え余力は既に使い果たしてしまったのです。

だからレンレンの株価は「アツアツに熱したナイフでバターを切るように」スーッと公募価格を割り込んでしまったわけです。

こうなると地獄です。

僕の考えではレンレンをこの水準から拾いに入る機関投資家は少数派だと思います。なぜなら同社は値決め直前にユニーク・ビジターの数字を大幅に下方修正するという、やってはいけない罪を犯しているからです。

さらに監査委員長を務めるはずの取締役が値決めの2日前に別の会社のスキャンダルが原因で辞しています。

これらはいずれも赤信号であり、ちゃんと予習をしてからIPOに応募する機関投資家なら鉄の掟を曲げてまで出動することはしないからです。