以前に紹介したヤンデックス(ティッカー:YDEX)がIPOロードショウをキックオフしました。

同社は1997年にサービスを開始したロシアのサーチ・エンジンの会社です。
同社の創業者はアルカディ・ヴォロズとイリア・セガロビッチの2人です。

ロシアには昔から数学や科学に熱心だという伝統があり、この分野では豊富な人材を抱えています。

サーチ・エンジンを開発する際にはマシン・ラーニング(コンピュータの学習)が基礎的な技術となります。その根幹を成すサポート・ベクター・マシーン(SVM)はロシアで開発された技術です。(グーグルもこれに基づいています)

もうひとつの重要な技術はブースティングと呼ばれる技法で、こちらもたいへん難しいです。

ヤンデックスはこれらの両方を持っており、「総合的な技術力ではグーグルに劣っていない」と自負しています。(グーグルの創業者もロシア系であり、その意味でライバル意識がムキダシになっているのかも知れません。でもロードショウのような公の場で「ウチの技術の方が優れている」と胸を張るのは、大抵の企業には出来ない事だと思います。)

実際、世界のサーチ市場でグーグルが市場占有率を伸ばせなかったのは:

1.中国(バイドゥ)
2.韓国(ネーバー)
3.ロシア(ヤンデックス)

の3国だけであり、このうち中国は政府の方針でグーグルが締め出されたのがその主因です。しかしロシア政府はグーグルを歓迎しており、完全に自由競争の環境下でグーグルは負けました。


またニュースやショッピングなどのサービスも常にグーグルより早くローンチしてきたし、独自のクラスタリング技術などに裏打ちされた、ユーザーが知りたい情報を出す能力ではグーグルに先行しているとヤンデックスの経営者は主張しています。

現在のサーチ市場でのシェアは68%です。
ヤンデックスは5000万人のユニーク・ユーザーを誇っています。

ロシアのインターネット市場は欧州ではドイツ、英国に次いで3番目に大きい市場であり、その成長率から考えてゆくゆくは欧州最大の市場になると予想されています。

一方、ロシアの広告市場は年率23%で成長しており、現在は146億ドル市場です。このうちオンラインは11%に過ぎません。対比のために中国は広告市場の20%がインターネットとなっています。

オンライン広告市場の成長率はロシアが年率40%、インドが29%、中国が27%、米国が15%です。
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【IPOデータ】
売上高成長率:59%
EBITDA成長率:51%
純利益成長率:48%
フリー・キャッシュフロー成長率:58%
今回発行株数:5220万株(うち3680万株がセカンダリー)
初値レンジ:20から22ドル
ティッカー:YNDX
ロックアップ:180日
引受け幹事: モルガン・スタンレー、ドイチェバンク、ゴールドマン・サックス、パイパー・ジェフリー、パシフィック・クレスト