また注目度の高いハイテク企業がIPOされます。

フュージョン・アイオー(ティッカー:FIO)はクラウド向け次世代ストレージ装置の会社です。

同社の「アイオー・ドライブ」は処理中のデータをなるべくサーバのCPUに近いところに配置・収納することによりパフォーマンス向上を目指します。

同社の製品が考案された背景にはCPU(=マイクロプロセッサ)のパフォーマンスはどんどん進歩しているけどストレージのI/O(インプット・アウトプット)速度は進歩が遅いということがあります。

このためストレージのパフォーマンスがゲーティング・ファクター(頭を押さえる要因)となり、レイテンシー(遅延)を引き起こしてしまうのです。

これがこんにちのクラウド・データセンターの直面する技術的な大問題のひとつとなっています。

従来はこの問題に巨大なディスク・アレイで対応してきました。しかしこれは大変高価な解決法です。

それが「アイオー・ドライブ」を使うとカード1枚で取って代わられるわけです。

「アイオー・ドライブ」はPCI Expressバスを採用しています。

これまでは記憶装置はサウスブリッジ側に配置されるのが通例でしたが、「アイオー・ドライブ」はノースブリッジを出ることなくCPUにアクセスできます。

これにより「アイオー・ドライブ640GB」の場合、読み込み帯域幅毎秒1.4GB、書き込み帯域幅1.0GBという非常に速い処理速度を実現しています。

同社の製品はデル、ヒューレット・パッカード、IBMなどにOEM提供されます。

既に現在世界の1500の顧客がアイオー・ドライブを実際に使用しています。

エンド・ユーザーからは「サーバ数を減らす事が出来る」と好評です。

それはすなわち所有期間コストを低減できることを意味します。

SaaS(ソフトウエア・アズ・サービス)などの事業を展開している企業には欠かせないソリューションになります。

同社が対象と考える市場はストレージ(180億ドル市場)、メモリーを多用するサーバ(237億ドル市場)、ネットワーキング(10億ドル市場)で、合算すると520億ドルとなります。

この他にもファイバー・チャンネル、レイヤー4~7スウィッチ、10GbEスウィッチなどの市場103億ドルが潜在市場となります。

また特筆すべき点としてはアップルの共同起業者、スティーブ・ウォズニアックが取締役に名を連ねている点です。

同社をバックアップしているベンチャー・キャピタルはニュー・エンタープライズ・アソシエーツです。

このIPOのリスクとしては:

1.現在の爆発的な売上成長は今後期待できないこと
2.創業以来赤字続き
3.OEMへの依存
4.在庫リスク
5.EMCなどの巨大企業と競争
6.セールス・サイクルが長いこと
7.部品サプライヤーの数が少ないこと

などだと思います。

【ディールの条件】
今回発行株数:1230万株
初値設定:13から15ドル
ディール後発行済み株式数:7780万株
ティッカー:FIO
2011年3月末までの9か月の売上高:1.25億ドル(前年同期比+396%)
幹事構成:ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、クレディスイス