TechCrunchが先日NYで開催した「ディスラプト」カンファレンスでベンチャー・キャピタル、ゼネラル・カタリスト・パートナーズのクリス・ファーマーが「Top 10 Overall VC Funds」についてスピーチしました。

彼はテッククランチのデータベースであるクランチベースの統計を主に使用し、それに他のデータを補足して米国で最も影響力のあるVCのリストを作成しました。

なおテッククランチはインターネットやクリーンテックに関しては極めて優れたデータを蓄積していますが、全てのベンチャーを捕捉できているわけではないと思います。

さて、クリス・ファーマーはここでVCをランク付けする際、ユニークな評価尺度を採用しています。
(この考え方は紹介するに値すると思ったので今回、記事にしました。)

それはNetwork Centrality(ネットワーク・セントラリティ)という概念からオリジナリティの高い投資実行実績をより高く評価するというものです。彼はこのランキング手法をInvestorRankと呼んでいます。

そのランク付けの方法はグーグルのページランクの考え方と似ています。

グーグルのページランクでは或るウェブページが他のサイトからどれだけリンクされているかに応じて、それが多いほど高いランクを与えています。

これと似たような感覚で、ベンチャー・キャピタルが「コ・インベスター(相乗り投資家)」として同じディールに投資した場合、最初に投資したリード・インベスターとコバンザメのように後からついてきたコ・インベスターの相互関係が出来ます。

このように後のラウンドで追加のVCが投資に参加すると、最初にそのベンチャーに投資したリード・インベスターの評価も押し上げると考えるわけです。

大体、筋の良いベンチャー企業というのはどんどん事業を拡大するので何度もラウンド(投資家の資金注入を請うこと)を繰り返します。

後のラウンドになればなるほど金額も大きくなります。さらに「この会社は有望だ」ということは誰の目にも明らかになります。


言葉を変えて言えば、後のラウンドになるほどそのVCのブランドネームや資金力がディールに参加できるかどうかを左右するわけです。

でもIPO直前の最後のラウンドに投資出来たからと言ってそのVCの「選球眼」が良かったかといえば、それはスキルの証明にはならないのです。

むしろ難しいのはアーリー・ラウンド(初期の資金調達)で、ハイリスクのときにいかに有望な企業を発掘するか?という問題です。

だから金額ベースでは投資額が小さくても、後のラウンドで参加する投資家が多ければ多いほど、リード・インベスターの評価は高くなるというランク付け方法は理に適っているわけです。

実際、UPラウンドと言って、普通、後のラウンドになるほど投資の際のその企業の評価は高くなるのが普通です。

すると初期の資金調達で出資したリード・インベスターのポジションは株価風に言えば「すでに利が乗っている」と考えることが出来るのです)

前置きが長くなりました。

この手法でクリス・ファーマーがランク付けした米国VCの順位は:

1. アンドリーセン・ホロウィッツ
2. セコイア・キャピタル
3. アクセル
4. ベンチマーク・キャピタル
5. ユニオン・スクエア・ベンチャーズ
6. ゼネラル・カタリスト・パートナーズ
7. ニュー・エンタープライズ・アソシエーツ
8. クライナー・パーキンス
9. コースラ・ベンチャーズ
10. グレイロック

です。