PIIGS諸国のデット・サービス(=借金返済)能力に関するデータ・ポイントをお見せします。

最初のグラフはPIIGS諸国の税収(青)と年間利払いコスト(赤)を比較したものです。両者のバランスを見てほしいのですが、当然、青のバーが大きい方が借金の返済能力は大きいです。
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これで行くとギリシャは完全に「自転車操業状態」になっていることがわかります。
イタリアは徴税ベースがしっかりしています。

スペインの場合、この統計で捕捉しているのはたぶん中央政府だけだと思いますけど地方政府に大きな債務が隠れているはずです。(つまりこのグラフで見るほど健全ではたぶん無いということ)

次に同じ税収(青)を今度は債務残高の絶対額(赤)と比較しました。
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上のグラフの債務残高(赤)を税収(青)で割り算して、負債が税収の何倍か?を計算したのが下のグラフです。
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最後に債務残高(赤)と政府の年間財政赤字額(青)を比較したグラフを載せておきます。
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結論的にはPIIGSとひとことで括っても、その内容にはかなり差があり、ギリシャがやっぱりダントツで中身が悪いことがわかります。

アイルランドも悪いです。(なお今日のエントリーとは関係ありませんがアイルランドがおかしくなってしまったのは不動産バブルが原因で、その意味では同国の抱える問題はセキュラーではなくシクリカルな色彩が強いです。)

イタリアは概ね健全ですし実体経済の悪化のペースもゆっくりとしています。従ってマクロ・データからだけ判断すると急転直下で収拾のつかない事態に陥るとは思えません。しかしマーケットは気まぐれです。若しイタリアに何かあったら、上の一連のグラフのようにイタリアの規模はPIIGSの中では抜きん出て大きいのでEU全体に与える影響は甚大です。

スペインはPIIGSの中では「中くらい」の印象を与えますが、たぶん「簿外」でいろいろ落とし穴になりうる悪材料が動いているという意味ではこの国がいちばん怪しいです。不動産バブル崩壊後、その「死体を冷蔵庫に入れて封印した状態」になっています。若し資産価格に変化が出始めたらあっと言う間に取り返しのつかない事になるリスクもあるでしょう。


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