ルルレモン(ティッカー:LULU)はカナダのバンクーバーに本社を置く女性のアスレチック・ウエアの小売店です。
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同社のアスレチック・ウエアはヨガなどのエクササイズ・ウエアを中心としており、機能性の高い、丈夫で長持ちする、ファッショナブルな商品だけを販売する方針です。
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同社の特徴は「カルト的」とも言える熱心なファン層を持つと同時にアップルやスターバックスなどごく一握りのブランドだけが培うことの出来た強烈な愛社精神ないしコーポレート・カルチャーを持っている点です。

【事業戦略】
ルルレモンは垂直統合した小売モデルを展開しています。つまり商品の開発から販売までを全部自社で行うということです。したがってホールセール市場に自社製品を卸すことはしません。

なぜ直営店にこだわるかと言えば、ルルレモンの商品を他社に卸したら、その小売店の業績が悪くなったときにルルレモンの商品を投げ売りされ、結果としてブランド・イメージを毀損するからです。


【店舗戦略】
同社の直営店の売り場面積は平均して3500平方メートルと比較的小規模です。

しかし1平方フィート当たり1500ドル以上の売上高を誇っており、他の一流専門店の平均である1平方フィート当たり600ドルを大きく引き離しています。

現在の店舗数は138店舗で、既存店売上比較は+16%です。

1店舗当たりの売り子数は5名であり、他のどの企業よりも売り場面積当たりの売り子数が多いです。

これは商品を試着し、どの商品を選ぶかを顧客が売り子と相談したいとき、丁寧な顧客サービスを提供できるようにするためです。もちろん店舗当たりの試着室の数も北米のどの小売店より多いです。

【ターゲット顧客】
同社の顧客像は40歳から50歳のフィットネスに関心の高いキャリアを持った女性です。しかし商品設計の段階では32歳くらいの女性が着そうなデザインをイメージします。なぜ若々しい商品設計にするかといえば、「50歳の女性が50歳に見える商品」を作っても誰も買わないからです。「気持ちの上ではいつまでも32歳で居たい」という消費者のアスピレーションを理解することが重要なのです。

ただ実際に商品を買うのは40歳から50歳のプロフェッショナルの女性ですからお金はたんまり持っています。だからプレミアムの価格設定をしてもどんどん商品は売れてゆくわけです。

同社はその高いマージンをよりハイパフォーマンスでハイクウォリティーな商品を開発・企画する事に再投入します。そしてストアごとにコミュニティへのアウトリーチをし、独特の強固なネットワークを形成することを目指すわけです。

【権限委譲】
同社のストア戦略でもうひとつ特徴的な事は権限移譲です。

ルルレモンは会社としてのブランドや店舗フォーマットは厳格に決まっていますが、どの商品をどうディスプレイするかの裁量はそれぞれのストア・マネージャーに任せています。

ショー・ウインドウのデザインもわざと専門家を使わず、それぞれのストアの売り子の自主的な創案を尊重します。

さらにストア・マネージャーに「コミュニティ開発予算」を与え、消費者との交流を深めるためのいろいろなイベントを自主的に企画することを奨励しています。

個々のストアは独自のFacebookページを持っており、ストア・マネージャーや売り子がファンページの運営管理をします。これは地元の消費者とのつながりやストアごとの「手作り感覚」を失わないための方策です。

【業績】
同社の過去の売上高の推移は下のグラフのようになっています。
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また一株当り利益(EPS)と一株当りキャッシュフロー(CFPS)の推移は以下の通りです。
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グロスマージンは57%、営業マージンは29%で、マージンは専門店の中でも最高の部類に属します。

ROEは25%です。

なお下は同社のCEO、クリスティーン・デイのビデオです。彼女はスターバックスのハワード・シュルツの元で主にスターバックスの海外戦略を統括してきた経歴をもつ人です。