欧州中央銀行(ECB)に巨大な債券買い入れプログラムを一任する案が現在進行中の欧州首脳電話会議で討議されているそうです。

詳細はわかっていません。

ただ「4000億ユーロ程度を投じてイタリア国債、スペイン国債を買いまくる」という噂です。

これがどんなに桁外れの規模かといえば去年の5月に最初のギリシャ救済(=所謂、第一枠)の一環として欧州中央銀行が市場で買い支えたギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどの国債の総額は80億ユーロでした。
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だから今回はスケールがぜんぜん違うのです。


しかしこの案に対しては反対も多いと予想します。

なぜなら欧州中央銀行のマンデート(使命)は物価の安定だけであり、景気を支える事は欧州中央銀行の仕事では無いと決められているからです。(なお、アメリカのFRBは物価の安定と景気を支える事の両方を目指す事が期待されています。このような2つの使命を「デュアル・マンデート」といいます。)

これだけのスケールで欧州中央銀行が国債の買い入れを実施するということは、実質的に予算権の一部が各国政府から欧州委員会へ移ってしまうことになりかねません。

国家主義の立場からすれば「これは欧州の個々の国の主権の侵害だ」と捉えることすら出来ると思います。

こんな大事な問題が、一回の電話会議くらいで決まって良いものなのでしょうか?

また欧州中央銀行の資本政策を根本から見直すことも必要になると思います。

僕はこれらの理由から今回、この案が実現する可能性は低いと見ています。

しかし欧州連合の歴史を見ると憲法違反になりかねない決定が過去にも何度も繰り返されてきたことは欧州議会の代議士を務めたダニエル・ハナンが『New Road to Serfdom』の中で指摘するところです。