米国のソーラー・パネル・メーカー、エバーグリーン・ソーラーが倒産しました。

今回の倒産はソーラー・パネル業界の競争が如何に熾烈かを改めて印象付けるとともに間違った技術を採用するととんでもない事になるという教訓を残しました。

エバーグリーン・ソーラーはマサチューセッツ州に本社を置く企業で一時は米国を代表する太陽光発電の会社として株式市場の人気を博していました。

同社は「ストリング・リボン(String Ribbon)」という独自の技術でウエハーを制作しています。

従来の製法(=Casting & sawingと呼ばれる場合もあります)が6.0g/Wのシリコンを消費するのに対し「ストリング・リボン」製法では3.3g/Wで済みます。

数年前まではシリコンの原料価格が高かったので「シリコンを無駄にしない」この製法は大きなコスト・アドバンテージをもたらしました。

その後中国で続々とソーラー・パネルのスタートアップが起業し、競争が激化すると原料ならびに最終製品の価格は下落しました。

実際、2008年から今年にかけてポリシリコンの価格は80%近く下がりました。



するとコスト競争は次第に原料価格ではなく人件費の競争へと移ってゆきました。つまりパネルの組み立てを含めたトータル・コストで安い企業が勝つわけです。

その点、マサチューセッツの工場にこだわったエバーグリーンは中国メーカーの人件費には到底太刀打ちできませんでした。

加えて中国のソーラー・パネル各社が中国政府から補助金を貰っている点も競争を不利なものにしました。

ソーラー・パネルのビジネスはグローバルな競争を強いられるビジネスでしかもコモディティ色が強いです。昨日の「勝ち組」でも明日は保証されません。

エバーグリーン・ソーラーの株価チャートはそれを如実に示しています。
ESLR