外資系企業に転職する際の面接のノウハウについて考えてみたいと思います。

そうは言っても僕は転職コンサルタントではないので、あくまでも自分の限られた経験から話すことになります。だからこれが「正解」というわけではないし、他にもいろいろなシチュエーションが当然あると思います。

【志望動機や自分の長所について予め準備しておくことは有効か?】
通常、日本の企業の面接では志望動機を語り、自分の長所を述べる事ができるよう準備すると思います。

外資の場合、それらも大切ですが、もっと踏み込んだ質問で斬り込まれると覚悟すべきでしょう。

たとえば僕の面接では次のような事が起こりました。

【いきなり「オレに株をセールスしてみろ!」】
僕は1980年代の後半に日本の証券会社に勤めていたのですが、ある事情から急いでニューヨークに働き口を探す必要が出ました。


そこでヘッドハンターに接触し、「ニューヨーク勤務の求人があったら、ヨロシク」と頼みました。

数日後ヘッドハンターから「或る英国系マーチャントバンクがニューヨーク勤務の日本人を探しているから、インタビューを受けてくれ」と連絡してきました。

日本橋(当時)にあるその会社に出掛けて行くと「先ずウチのチーフ・ストラテジストのSさんと面接して下さい」と言われました。

その方はたいそう偉い人なのかビルの最上階にある、会議室ばかりのフロアにひとりだけ個室を持っていました。

そのフロアは「プーン」と甘酸っぱい匂いがします。

(なんだろう、このニオイ)

ニオイの原因はすぐに判明しました。

それはSさんがプカプカふかすパイプの匂いだったのです。

(オフィス禁煙のご時世に昼間からパイプをふかしても誰からも文句言われないなんて、相当偉い人に違いない)

そう思いながら握手をしてインタビューが始まるなり、Sさんはこう切り出しました:

Why don’t you give me your best stock idea. If I like your sales pitch, I’ll hire you.
「キミのベストの推奨株を言ってみろ。若しオレがキミの営業トークを気に入れば、キミを採用しよう。」

これには僕も一瞬ひるみましたが、(おもしろい、やってやろうじゃないの)と闘志が湧いてきました。

黙って僕のsales pitchに耳を傾けていたSさんは最後に「キミの議論でこの部分の統計数値は間違っている」と細かい指摘をした後、「全体としては合格だね」と言いました。

後日彼がアンドリュー・スミザースという日本株ストラテジストの大家であることを知った時には体じゅうから汗が噴き出しました。

我々は「先ずTOEICで高得点し英語を使う部署に潜り込み、次に現場に配属された時点で実戦向けのスキルを養おう」という風にステップ・バイ・ステップで物事を計画しがちです。

しかし実際には上の例のようにいきなり「出たとこ勝負」を強いられることが多いのです。

その際、コミュニケートするチカラが不足していればあっという間に馬脚があらわれます。