世界最大級のウランの生産会社であるカナダのキャメコ(ティッカー:CCJ)が8月4日に決算発表しカンファレンス・コールを実施しました。

同社は世界中の原子力発電所とビジネスをしている関係で原発業界の動向を知る上で極めて貴重なデータ・ポイントを提供しています。

ひとことで言えば第2四半期(4~6月期)の決算は2つの大きな特殊要因により悪い決算となっています。

特殊要因その1:同社のウラン鉱山の生産がマイニングプランの影響で下半期に偏っている事

特殊要因その2:東日本大震災の後、ドイツの原子力発電所の一部が休止されたこと


第2四半期決算:
EPS 予想CDN$0.18 実績CDN$0.18
売上高 予想CDN$4.40億ドル 実績CDN$4.26億ドル

第2四半期のウラニウムの生産高は570万ポンドでした。これは去年同期比+16%です。また上半期のウラニウムの生産高は1050万ポンドでした。これは去年の上半期に比べて-4%です。今年通年のウラニウムの生産高ガイダンスは3100から3300万ポンドです。上半期の実績が1050万ポンドなのでそれから計算すると下半期は2050から2250万ポンドの生産という計算になります。

(なおウラニウム鉱山は浸水などにより生産計画が影響される場合が極めて多く、キャメコの生産実績もきわめて不安定です。)

次にウラニウムの販売実績ですが第2四半期は580万ポンドでした。これは前年同期比で-31%と落ち込みました。販売単価は1ポンドあたりUS$46.65でした。これは去年の同期に比べて+11%でした。


プレスリリースの中でキャメコは世界のウラニウム市場に関して次のように述べています。

福島第一発電所での事故以来、日本では原子力発電の将来のあるべき姿に関して議論が起こっている。いろいろな業界グループからは原発支持の声も強い一方で大衆は原子力発電に対してより用心深くなっていると伝えられている。

日本以外の国では原発プログラムに対する見直しが行われた。一部の例外を除いて原発プログラムの変更は見られなかった。インド、中国、フランス、ロシア、韓国、英国、カナダ、米国をはじめ、その他世界の大部分の国が原発プログラムの継続の意思を示している。

例外としてはドイツがある。ドイツは17基の原子炉を有しているがこれは世界のキャパシティの5%に相当する。そしてドイツ政府は原発の廃止を決定している。現在これらの原子炉のうち8基はすでに運転停止している。また2022年までに残りの9基も運転を取りやめる予定だ。

このような例外はあるが世界全体としては原子力発電のビジネスは今後も拡大する。例えばサウジアラビアは2030年までに16基の原発を建設する予定である。

(中略)

弊社の予想としては:

1.向こう10年間での世界のウラニウムの需要は21億ポンドに下落する。これは福島第一発電所の事故が起こる前の弊社予想の22億ポンドから若干下方修正された。

2.2020年の時点での世界のウラニウムの消費量は年間2.25億ポンドを見込んでいる。これは旧弊社予想の2.30億ポンドより若干下方修正された。また年間成長率は+3%という計算になる。

3.2020年までに世界で85の新しい原子炉が建設されると予想される。これは旧弊社予想の90基より5基少ない。

4.2011年の世界のウラニウム消費量は1.75億ポンドを見込んでいる。これは旧弊社予想1.80億ポンドより若干下方修正された。

5.2011年の世界のウラニウム生産量は1.45億ポンドを見込んでいる。

ccj