7月22日に合意されたギリシャ救援第二枠によりギリシャはデフォルトを回避したかのように見えました。

しかし9月2日の「トロイカがギリシャとの対話を打ち切った」というニュースはギリシャ問題がまだ解決とは程遠いことを改めて印象付けました。

このニュースを受けてギリシャの1年物の金利は70%、2年物の金利は50%に乗せました。これはギリシャがほぼ確実にデフォルトすることを織り込んだ水準です。

トロイカとは三頭立ての馬車の意味でユーロ問題の文脈では欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)の3つの組織を指します。

この3者とギリシャは次回の支援金の支払いを巡って打ち合わせをしていました。金額にして80億ユーロです。

これは去年決まった1100億ユーロのギリシャ支援基金(→7月22日に決まった1000億ユーロの追加支援基金と区別するために「ギリシャ救援第一枠」と呼ばれることもあります)の支払いの一部です。

今回の80億ユーロの拠出は9月5日までに確認され、支払われる予定でした。

ところがギリシャが支援の条件として決められた数々の努力目標の全てをクリアできなかったばかりでなく、ごく簡単な事務的な作業も怠っていたことが発覚して「これでは話にならない」とトロイカ側が立腹し、交渉の席を立ったのだそうです。

ギリシャ政府が2012年の予算草案をまとめた後の9月12日以降に仕切り直しするということになりました。


これとは別に7月22日にギリシャ救援第二枠が決まった後でフィンランドが「ギリシャへの新規融資の際には追加担保差し入れを要求する」とした問題に関して欧州の財務相が9月16日にポーランドに集まって会議を開きます。

この追加担保問題が解決しなければ欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を実行することは困難になります。

若し欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が瓦解するとこれまでギリシャ、イタリア、スペインなどの国債を買い支えてきた欧州中央銀行はそれらの国債の在庫の「肩代わり先」を失うので、とたんに中央銀行の経営の健全性を疑われるリスクが発生します。
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