イタリア国債のソブリン格付けが引き下げられるのではないかという観測が市場に流れています。

これを受けてユーロならびに欧州株式市場は急落しています。

またこれまでせっせとイタリア国債を買い支えていた欧州中央銀行(ECB)がイタリア国債の買い支えを止めたのではないか?という不安が市場に走り、イタリアのデフォルト保険の価格が上昇しています。

イタリアは今回のユーロ危機では比較的マジメに財政赤字削減問題に取り組む姿勢を見せてきました。

しかしベルルスコーニ首相は単に金融市場に対して良い顔を見せるだけではなく、国内の支持基盤に対しても配慮する必要があります。

緊縮財政は有権者に不評であり、有権者をなだめるためには市場参加者が「喉元過ぎれば」という感じで気を抜いた隙にこっそりとダイヤルを元に戻し、政権維持とのバランスを取る必要があります。具体的には450億ユーロの赤字削減予算案の最終案の提出がわざと遅らされているのです。

イタリア政府がモタモタしていることに業を煮やした欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は「ユーロ問題の解決を全てECB任せにされては困る」と発言、さらに月曜日(5日)はわざとイタリア国債買い支えをストップし、「はしごを外すよ」という威嚇をしました。

イタリアの政府負債がGDPに占める割合はほぼ100%(但しネット・ベース)で、欧州ではかなり高い方に属します。
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さて、ECBはイタリアに対して財政改革を急ぐよう要求しているわけですが、もともとイタリアの財政赤字は欧州各国の中では比較的マシな方です。

従って「均衡財政にすることが問題解決の最善の方法では無いのでは?」という懐疑論も根強く存在します。

言い換えればどんなに財政を均衡させても、経済成長が出せなくなれば債券の投資家はイタリア国債を売るというわけです。

実際、経済成長に関する長期的なロードマップが描けないという点が根本的な問題だという意見も多く聞かれます。

これについてはイタリアの政府関係者が5日、「どうやらイタリアは政府予想の2011年のGDP成長率1.1%、2012年のGDP成長率1.3%を達成出来そうもない」という談話を発表しています。

イタリア議会は9月中旬に緊縮財政予算案を投票に付します。その前段階として上院予算委員会がこれを承認する必要があります。目先はそれらの動向に注目したいと思います。