【マーケットは誰にもコントロールできないか?】
7月に米連邦債務上限引き上げ問題が出た頃を境に世界の株式市場が急落しました。

米連邦債務上限引き上げ問題が土壇場までこじれた背景には民主党、共和党の議員がそれぞれの郷里の有権者の歓心を買うためにマーケットそっちのけで原理原則論に終始したことがあります。

その結果、格付け機関、スタンダード&プアーズは「こんなに政治がマヒしている国はAAAに値しない」と米国の長期ソブリン格付けをダウングレードしました。

また米国の企業の経営者たちも「こんなに政府の先行きが不透明では怖くて雇用など増やせない」と判断し、その結果8月の非農業部門雇用者数はゼロ成長になってしまいました。

世界同時株安を見て肝をつぶした読者も多かったと察しますが、悪者はマーケットなのでしょうか?

"I'm selfish, impatient and a little insecure. I make mistakes, I am out of control and at times hard to handle. But if you can't handle me at my worst, then you sure as hell don't deserve me at my best."
ワタシは利己的で我慢するのは嫌い。それに弱いおんなよ。いつも間違いを犯すし、ハチャメチャだし、扱いにくい女ってわけ。でも若しワタシが悪女モードになった時、ちゃんとフォローできないような男なら、ワタシが良い娘モードの時に付き合う資格はないわ。
(マリリン・モンロー)

つまりマーケットは乙女心と同じでケアを怠るとたいへんな事になるのです。

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【愛が無かった最近の政治】
最近の政治はあまりにもマーケットに無頓着でした。愛が無かったのです。

(カノジョが荒れ始めたな。これはマズイことになったかもしれない)

そういうキケンを察知したからこそFRBはオペレーション・ツイストだとか何とか言い始めて市場をなだめようとしているのだし、オバマ大統領も雇用拡大政策の演説をぶったわけです。

議会はマーケットの機微を察するという点ではKYですけど有権者の顔色をうかがうのは得意です。その点、有権者は怒り心頭に達しているので今回のオバマ雇用拡大政策は割とすんなり議会の承認を得られる可能性が強いです。

つまり今のアメリカは皆がダメージ・コントロールのモードに入っているのです。

マーケットが少し機嫌を直しているのはこのためです。

【リップサービスの大切さ】
「そうは言ってもFRBにはもう出来る事が残されていない」

そう考える市場参加者も多いでしょう。確かにFRBの選択肢は限られています。しかしマーケットというものは不思議なもので、どんなにリップサービスでもケアさえしていれば機嫌を損ねないものなのです。

“All little girls should be told they are pretty, even if they aren't."
すべての女の子は「きれいだよ」と言って育てるべきよ。仮にその娘がキレイじゃなくてもね。
(マリリン・モンロー)

僕はリフレ派ではありませんが、リフレ政策が本気で「きれいだね」とマーケットの機嫌を取るものであれば、金額の多寡に関係なく市場は好感すると思います。

この点は実際にマーケットに関わった事の無い経済学者には理解できないと思いますけど。

せっかく褒めるのなら、心をこめて褒めてあげようではありませんか。