ユルゲン・シュタルク欧州中央銀行理事が辞意を表明しました。

シュタルク理事は実質的な欧州中央銀行の主席エコノミストの地位にある人です。

彼は最近再開された国債購入プログラム(SMP)に反対の立場を貫いてきました。

しかし欧州各国の議会が夏休みに入っている間、誰かがイタリアやスペインの国債を買い支えておかなければいけないという必要から欧州中央銀行にその役目が回ってきたのです。
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シュタルク理事はECBが損な役回りを強いられた事に憤慨しました。

単純に考えればこれでECBのSMPに対する風当たりは一層強まるように思われるのですが、逆の見方をすればシュタルク理事が居なくなる事でECB内でのインフレ・タカ派の勢力は弱まるというシナリオもあります。さらにECBは一段とSMPを加速させるというシナリオすら描けるわけです。

折から欧州の経済はいま失速しかかっており、今年ECBが実施した2回の利上げは「失敗だった」という声が強まっています。

なおECBからは2月にもドイツ人のウェーバーが辞任しており、これで二人目となります。

それはECBからどんどん「ドイツ色」が薄れているという風にも理解出来るでしょう。

これは通貨ユーロにとっては弱気要因です。

しかし欧州の株式にとっては中期的には強気要因です。

なおユーロ安はドイツの国民を含む大半の欧州の人々が望んでいるシナリオだと思います。

最後にトリシェ総裁の任期は10月末までで、その後はイタリアのマリオ・ドラギが継ぎます。