UBSのデルタ・ワン・デスクのトレーダー、クウェク・アドボリが上司の許可なく大きなポジションを建て23億ドルの損を出した事件の調査が進んでいます。

ウォールストリート・ジャーナルによると不正取引は3年前から始まっていたとしています。

しかし不正が発覚する直接のきっかけになったのは、どうやら過去3ヶ月の間に行われた無許可トレードが原因のようです。

そこではS&P500指数、ドイツDAX指数、ユーロStoxx指数先物などによる投機が行われました。

ウォールストリート・ジャーナルの記事によるとクウェク・アドボリは自分の投機のポジションを隠すため、ちょうど反対のETFのポジションを取ったように見せかけてポジションを相殺したことにしました。

そうするうちに7月以降、欧州株式市場が荒れたので損が雪だるま式に増えたのです。

欧州の規則では一部のブローカーはETFの取引のコンファメーション(約定報告書)を送る義務を免除されており、それが虚偽の記帳を発見しにくくした一因ではないかと言われています。


ギリシャ危機が日に日に深刻さを増す中、「若しギリシャがデフォルトした場合、ギリシャ国債を沢山抱えているフランスの銀行の経営が危なくなるかもしれないので、この際、フランスの銀行との取引関係を全て洗い出せ」という指令を出した金融機関が多いです。

このようなカウンター・パーティー・リスクの照合の過程で相手から「そういうポジションは無い」と指摘され、嘘が発覚したのではないかと言われています。

なおUBSはクウェク・アドボリの残した損のポジションは全て手仕舞ったとコメントしています。

下はドイツDAX指数のチャートです。
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