ウォールストリート・ジャーナルはグルーポン(Groupon)やリビング・ソーシャル(LivingSocial)に代表される日替わりディールのサイトが過当競争時代に入っていると指摘しています。

その記事によるとピーク時に530あった日替わりディールのサイトが現在は170まで減ってきているそうです。

当初比較的少なかった新規顧客の獲得コストは新規参入の業者が増えるにつれてどんどん上昇しました。

下はグルーポンのIPO申請書類から拾った顧客獲得コストのグラフです。
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6月現在、グルーポンはいち顧客当たり23.46ドルの顧客獲得コストを費やしています。

すると獲得した顧客が日替わりディール・サイトにとって利益を生むためには何度もリピート顧客としてディールを買ってくれなければなりません。

零細な日替わりディール業者はこのように多額の顧客獲得コストを費やするだけの資本力が無いのでどんどん身売りなどにより撤退しているというわけです。


グルーポンは先日、IPOのロードショウを延期すると発表しました。

これは主にIPO前のクワイエット・ピリオドの順守に問題があったためだとウォール街では理解されていますが、それ以外の理由もあるのかもしれません。

その一例がIPO直前にとつぜん売上モメンタムが落ちるケースです。引受け主幹事はそういうサプライズをとりわけ嫌います。

(ひょっとするとグルーポンもそのケースでは)

そういう疑いをかけられても仕方ないと思います。

しかしだからといってIPOをいつまでも先延ばしにするのも問題があります。

たとえばグルーポンのライバルのリビング・ソーシャルは既にIPO申請書類をSECに提出しており、場合によってはこちらのほうが先にIPOされるかも知れないからです。

日替わりディールのビジネスでは当分の間、多額の顧客獲得コストを支払う「歯を食いしばっての我慢比べ」が続くと思われます。その際、IPOで調達した株主のお金などの外部資本の多寡がサバイバル出来るかどうかを決めてしまうかも知れないのです。

その意味ではIPOのタイミングを逃したグルーポンはとんでもない戦略的な失策を犯してしまったのかもしれません。