ネットフリックス(ティッカー:NFLX)のリード・ヘイスティングスCEOはDVD郵送ビジネスを本体から切り離し、クイックスター(Qwikster)という別会社にすると発表しました。

このリストラクチャリングの目的は急成長している部門(ネットを通じた映画のストリーミング)と今後廃れる部門(DVD郵送)をハッキリ分けることで、ちゃんと急成長している部門がその実態に見合った評価を株式市場から受けられるようにするところにあります。

ネットフリックスは2カ月前、これまで映画のストリーミングとDVD郵送をひとまとめにしていた価格体系を改め、別々に課金すると発表しました。

その結果、これまでは毎月10ドル払えば映画のストリーミングとDVD郵送の両方を楽しめたところを、これからは映画のストリーミングに8ドル、DVD郵送に8ドル、合計16ドル支払わなければいけなくなりました。

映画のストリーミングだけを選択する顧客にとってはこれは10ドルから8ドルへの値引きとなりますが、DVDも観たいという人には実質的な値上げを意味します。

問題は未だ現時点では映画のストリーミングのタイトル数が限られており、DVDじゃないと自分の観たい映画が入手できないというケースがある点です。

このためネットフリックスの顧客からは批判の声が湧きあがりました。

ネットフリックスは今後DVD郵送から映画のストリーミングへと先行投資の重点を移してゆくと思われるので、タイトル数が限られている問題はいずれ緩和すると思います。

その一方でネットフリックスが新しい魅力的なコンテンツの獲得に苦労しているという事も事実です。


ユニオン・スクエア・ベンチャーズのフレッド・ウィルソンは今回の同社株の急落は成長企業が経験するビジネス・モデルのトランジッションの過程で起きたことであり、長期的に見ればネットフリックスが映画のストリーミングの分野でリーダー企業であることには変わりは無いとしています。

またSplatFのダン・フロマーは7月25日にネットフリックスが提示したガイダンスの中でのサブスクライバー予想(左手)と現在の市場の予想値(右手)を比べ、主に減っているのはDVD郵送の顧客である点を指摘しています。
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(出典:SplatF)
成長鈍化の原因を明確にする意味で今回の分社化の発表は有意義だと思うし、ネットフリックスが「ごめんなさいモード」から再び「攻め」に転じるひとつのきっかけになるのではないかと思います。