グルーポン(Groupon)が爆弾を投下しました。

金曜日の引け後、同社は過去の決算報告書を訂正(restatement)すると発表し、2010年度の売上高をこれまでのS-1に記載されていた7.13億ドルから3.12億ドルと訂正しました。

これと同時にグーグルから鳴り物入りでスカウトしたCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)、マーゴ・ジョージャディスが退社すると発表されました。
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グルーポンは早ければ来週にも一度延期したIPOロードショウを再開すると思われていただけにこのニュースはウォール街にショックを与えています。

さて、今回の売上高のレコグニション(計上の仕方)の変更はかねてから物議を醸し出していた争点です。その意味では「不正会計」と言うよりも「グルーポンが世間の慣行におとなしく従った」と形容すべきだと思います。



具体例で説明しましょう。

いま仮にサンフランシスコのレストランが100ドル相当分のクーポンを50ドルで販売したとします。つまり50%引きの激安セールです。

顧客はグルーポンのサイトでこのクーポンを購入し、代金の支払いはクレジットカードで行われたとします。

いまグルーポンとレストランの間には50:50で売上高を折半するという契約があります。

従ってグルーポンはお金の流れとしては一旦、顧客から50ドルを受け取るわけだけど、そのうちの半分、つまり25ドルは右から左にレストランに渡すべきお金です。

このため本来、すぐにレストランに手渡すお金までグルーポンの売上高だと主張するのは売上高の過大報告だという批判が後を絶ちませんでした。

なお、このような売上高の計上方法は旅行サイトなどでも行われています。例えば航空券を旅行サイトが販売した場合、実際には購入代金の大半は右から左へ航空会社へと支払われます。旅行サイトの手元に残るのは航空券販売手数料(フィー)のみです。しかし航空券代も売上高に含めることで売上高を多く見せることができるわけです。

或る意味で最近のグルーポンのIPOの遅延や会計方法の改変は証券取引委員会や投資家からの厳しい追及に屈したという風にも言えると思います。

一度に売上高が半減するところを見せつけられると投資家が尻込みしたくなるのもムリはありません。

ただIPOの前にさまざまな争点がクリアーされたという意味では「むしろこれでスッキリした」と前向きに受け取ることも出来なくはありません。