カルラタ・ペレスはケンブリッジ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなどで教鞭を取っているベネズエラ出身の経済学者です。

その専門はイノベーションとそれが経済や社会に与えるインパクトに関する研究です。

彼女の著書、『Technological Revolutions and Financial Capital』は米国でベンチャー関係の仕事に就いている人の必読書になっています。

ユニオン・スクエア・ベンチャーズのフレッド・ウィルソンはTwitterをはじめとするホットなベンチャー企業を次々発掘し、いまアメリカで最も影響力のあるベンチャー・キャピタリストです。

フレッド・ウィルソンはもともとフラットアイロン・パートナーズというNYのVCに属していましたが、ドットコム・バブルが弾けた時、廃業同然に追い込まれました。

次なる道を模索している過程でぶち当たったのがカルラタ・ペレスの『Technological Revolution and Financial Capital』だっというわけ。



【対談の要旨】
1.イノベーションが起きると必ずバブルが起こる

2.その理由は投資家が「賭け事」に夢中になるからだ

3.インターネットはドットコム・バブルと金融バブルという2つのバブルを併発した

4.これはブラックスワンではない

5.昔からバブル崩壊は深淵な意味を含んでいる

6.それはそのイノベーションがあまねく世間一般に行き渡る上で不可避の現象だ

7.それが広く普及したからこそ、そのイノベーションは莫大な富を今後創造するキャパシティを持ちうるのだ


8.現在はその「黄金時代」がおとずれる直前に現れる、避けて通れない「ターニングポイント」にさしかかっている

9.「ターニングポイント」とは、つまりリセッション(景気後退)を指す

10.今回のドットコム・バブルと金融バブルも巨大な「賭け事」だったと定義できる

11.「ターニングポイント」ではそれにたいする反省と、間違いを繰り返さないための制度作りがおこなわれる

12.実業界と政府が協力してその制度作りをしなければいけない

13.今回はWeb2.0のリーダー達がこの制度作りに積極関与していない。これは問題だ

14.自動車が発明されたとき、福祉国家の概念が初めて検討された。なぜなら社会のセイフティー・ネットを整備しなければ月賦でクルマを買う事ができなかったからだ

15.今後はモノを消費する社会ではなく、健康や生活を楽しむ事を中心とした社会に移行する

16.参加、クリエイティビティ、ソーシャルなどがそこでは重要となる

17.Occupy Wall Streetに代表されるデモは怒りによって突き動かされている

18.若者が怒りを持っている理由は彼らには未来が無いからだ

19.終身雇用という概念は世界中で崩壊している

20.そしてその代わりに何度も職を変えねばならない、複雑な雇用環境が登場している

21.そこではヒューマン・キャピタル(人的資本)が極めて重要な財産となっている

22.しかしヒューマン・キャピタルを開発するための大学教育は授業料の値上げでどんどん庶民にとって難しくなっている

23.個々人にとって最も重要な財産であるはずのヒューマン・キャピタルを取得するために一生借金を背負わなければいけないのは社会があべこべになっているからだ

24.政治家は金融業界を立て直し、財政危機を治せば経済が元に戻ると錯覚している

25.金融業界が経済をリードした時代は終わる。それは「ローリング・トゥエンティーズ」が二度と戻らなかったのと同じだ

26.金融界はリアル・エコノミーをファンディングすることで活路を見いだせる。だが間違ってもカジノ的な経営を続けることではない

Technological Revolutions and Financial Capital: The Dynamics of Bubbles and Golden Ages
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