最近はインターネットでカンタンに映画やTVドラマを視聴できるようになりました。

いろいろな企業がオンデマンド・ビデオをネットで配信しており、陣取り合戦は白熱してきています。

月極め料金プランで先行したネットフリックス(ティッカー:NFLX)はこれまでストリーミング化の間に合わないコンテンツに関してはDVDによるサービス提供を併用してきました。

しかしこのサービスを切り離し、分社化するというプランは消費者から総スカンを喰らって頓挫しました。

それもその筈です。

なぜなら今、いろいろなライバル会社がDVDタイトルをどんどん増やしているので、ネットフリックスが愚図愚図していたら、あっと言う間に他の企業が「サービスの隙間」を埋めてしまうだろうという事を消費者は日に日に実感しているからです。

例えばアマゾン・ドットコム(ティッカー:AMZN)は『アマゾン・プライム』というサービスでオンデマンド・ビデオのタイトルをどんどん増やしています。

またコムキャスト(ティッカー:CMCSA)も『エックスフィニティ(Xfinity)』というサービスでどんどんタイトルを増やしています。

またオンデマンド・ビデオのサービス提供に際しては単なる「月極め」や「有料買い切り」だけではなく「レンタル」や「広告入り無料」など様々な課金形態が登場しています。

その過程でケーブルTVとインターネットの境界は限りなくぼやけてきているのです。

コムキャストなどの企業にとって、以前は配信するタイトルを増やせない事情がありました。これはネットワーク・アーキテクチャの問題です。


コムキャストの場合、従来は全米130か所にものぼるオンデマンド・ビデオ・サーバに新しいTVドラマや映画が出るたびに先ずコンテンツを配信し、そこから消費者へと配信していました。つまりいちいちディスク・ドライブに焼き付けていたのです。

しかも広告入りで配信する場合、CMの差し替えが効かないので一度アップロードした古いコンテンツは広告のスポンサーが去ると流せなくなってしまいます。その結果、「残骸状態」のコンテンツが沢山残ってしまうという状況が生じていたのです。

そこでコムキャストは次第にIP(インターネット・プロトコル)に依拠した新しいアーキテクチャに移行しています。

新しいIPアーキテクチャでは事前にコンテンツのコピーを沢山作成し、ローカルのサーバにアップロードする必要はありません。広告も瞬時に差し替え出来ます。

130か所の配信拠点は僅か4か所のデータセンターに集約されました。

さらにコムキャストのビデオ・タイトルは2008年には僅か1,300だったのが、今では3万タイトルに増えています。これはプリロードする手間が無くなったからです。

同様のIP-VOD(アイピー・ビデオ・オン・デマンド)化は他社でも進んでいます。

データセンターでは映画やTVドラマの人気に応じてホットなコンテンツをNANDフラッシュドライブにどんどんバーチャルに増殖させ、需要に応える方式が採られています。

フェイスブックとアップル(ティッカー:AAPL)はこの作業のためにフュージョン・アイオー(ティッカー:FIO)の「アイオー・ドライブ」を採用しています。

このような変化は投資家の立場からすればどのような意味合いがあるのでしょうか?

それは一言でいうと新しいビジネス・チャンスが以下に列挙する企業に生まれているということです。

関連銘柄
【コンテンツの配信者】
アマゾン・ドットコム(AMZN)
アップル(AAPL)
コムキャスト(CMCSA)

【クラウド】
フュージョン・アイオー(FIO)

【コンテンツの制作者】
タイムワーナー(TWX)
ウォルト・ディズニー(DIS)
CBS(CBS)
ニュース・コーポレーション(NWS)