1
MFグローバル(ティッカー:MF)が連邦倒産法第十一章による倒産処理手続きを申請しました。

今回の倒産はちょうどリーマン・ブラザーズが倒産した時と同じようなアレンジです。

リーマンのケースでは先ず同社が連邦倒産法第十一章による倒産処理手続きを申請した後でその資産をバークレイズ・キャピタルなどに売り渡しました。

MFグローバルの場合では親会社が先ず倒産を申請した後で裁判所の監督下で一部資産を入札にかけ、インタラクティブ・ブローカーズに譲渡するという案が検討されていましたが今のところインタラクティブ・ブローカーズは入札への参加を見合わせている模様です。

MFグローバル株は現在、商い停止になっています。

けさNY連銀はMFグローバルをプライマリー・ディーラーのリストから外しました。

情報が少ないのでこれから書く事はあくまでも常識の範囲から憶測できることになりますが、先ずMFグローバルのビジネスは1.先物ブローカーの事業と2.投資銀行事業に大別できると思います。

このうち1.先物ブローカー事業は同社のコア・ビジネスでした。このビジネスはCMEやICEなどの取引所で取引されている先物に関し、顧客からの注文をつなぐ、いわゆるブローカー業務です。

その性質からして極めて流動的な資産や債務が殆どであり、倒産した際にほぐすのが難しい複雑な店頭デリバティブ契約などは少ないです。

取引所で取引される先物契約に関してはCMEなどの取引所が責任を持って契約の履行を保証します。つまりMFグローバルが潰れたからと言って連鎖的にカウンターパーティー(取引の相手方)に信用不安が飛び火しない制度になっているのです。


ここが複雑な店頭デリバティブ(=取引所がこれを保証することはありません)を沢山抱えたリーマンと今回が違う点です。

同社のもうひとつの事業は2.投資銀行業務です。同社の場合、この部門で欧州周辺国の国債をトレーディングしていました。60億ドル相当のポジションがあり、その半分はイタリア国債だそうです。

格付け機関は昨今の欧州債務危機問題に鑑み、周辺国国債を沢山抱えているMFグローバルの格付けをダウングレードしたわけです。

この投資銀行部門がMFグローバルの経営を困難にした主因です。

なおMFグローバルの経営危機は先週かなり市場で話題になっていました。

しかしCEOが元ゴールドマン・サックス会長のジョン・コーザインであること、MFグローバルの主要株主に金融関係のプライベート・エクイティ・ファンドとして著名なJクリストファー・フラワーズが一枚噛んでいることなどから同社の身売りに関しては(問題ないだろう)と市場関係者は予想していました。

だから身売り交渉が難航したのは予想外だと言えます。
mf


PS:なお日本のMF Globa FXA証券でFX取引をやっているお客さんについてですが同社のホームページを見る限りでは100%信託保全されているようなので慌てる必要は無いと思います。

以下はMF Global FXA証券のホームページで信託保全に関して説明してある部分の一部コピペです。

店頭外国為替証拠金取引は、法令により、お客様から預託を受けた資産と会社の資産を区分管理することが義務づけられております。
弊社では日証金信託銀行への"全額信託"を実施しております。
もし弊社が破綻した場合は、信託保全されているお客様の資産は保全されます。この場合、日証金信託銀行から信託管理人へ信託財産が交付され、当該財産の範囲内で、 お客様に帰属すべき現金保証金等の金銭が返還されます。 弊社では、内部管理統括責任者を信託管理人(甲)とし、毎営業日、分別管理金額の照合等により、全額信託を 維持するため信託保全額を見直し、必要に応じて信託保全額の変更を行います。 また、弁護士を信託管理人(乙)とし、万が一の事態が生じた場合には、信託銀行に対して お客様の権利の行使等をお客様に代わって行います。